スマートな経営のためのラウンドテーブル
“鉄砲”を使いこなすためには適材適所の人材配置を(1/3 ページ)
個人の能力が最大限生かせる時代に
講演冒頭、夏野氏は現在のIT技術を戦国時代に織田信長が戦法に取り入れた鉄砲に例え、次のように述べた。
「信長は鉄砲を戦術に導入したことで知られるが、鉄砲それ自体が優れていたというよりも、ツールとして戦術に最適な形で組み込み、それまでの戦法を一変させたことに意義がある。ここ10年のIT技術で生まれたクラウドコンピューティングやスマートフォンはまさに現代の鉄砲といえるだろう」(夏野氏)
その“鉄砲”を自社のビジネスに適切に取り入れることのできていない企業が多いと指摘する。IT技術の進化により社会を取り巻く環境が大きく変わったことで、まず、企業側で人材管理の見直しを図る必要があるというのだ。
一昔前までは、情報は足で稼ぐものであった。ビジネスにおける重要な情報は、基本的に企業秘密であるなど、外部に開示されることはほとんどなかった。また、日本企業は高度成長期より組織全体の和を大切にする傾向があり、同等のパフォーマンスを発揮しオールマイティに使える人材を求めた。
ところが今では、欲しい情報は、ビジネスに関することであろうが、インターネットで検索すれば容易に調べることができる。一個人が得られる情報量はかつての何十万倍にも膨れ上がっているのだ。
「例えば、ある分野ではどのようなプレーヤーが世界に存在し、何が課題となっているか、検索することでそのソリューションまで把握することができる。このように、現在ではネット上であらゆる情報が手に入る」(夏野氏)
また、ブログやSNSの登場により、個人が情報発信できるようになった。1人から多数に影響を及ぼすことが可能になったのだ。それに伴い、個人レベルのネットワークが構築可能になる。すると、得られる情報はさらに集積する。「もはや大企業の看板を掲げているだけでは情報は集まらない」と夏野氏は声を上げる。しかし、個人の力が大きく飛躍を遂げる時代にもかかわらず、企業の人選感覚は基本的に以前のままだという。
「現在は、個人によってパフォーマンスが大きく異なる時代。そのため、人材は適材適所で使うべきであり、またその方が企業の成長のためには今後有効だろう」(夏野氏)
ただ、クラウドやスマートフォンといった新たな分野は、実際にビジネス経験や業界に関する見識と、リアルな人間関係を持つことで初めてその威力を発揮することができるとも夏野氏は付け加えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
3
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
4
スキルの向上だけでは成長は望めない――より重要になる「成長マインドセット」とは
-
5
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
6
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
7
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
8
話題のチーズティーを飲んでみる
-
9
「レッドガス」時代の羅針盤【第三章】従来型グローバルサプライチェーン設計思想からの脱却
-
10
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー