散乱するビッグデータをマーケティングで活用(2/2 ページ)
顧客データ取引市場
BlueKaiは、米国で最大の顧客データマーケットプレイスを運営している。このマーケットプレイスでは、自動車、金融、教育、小売り、旅行、消費財など、BlueKaiが収集した約1億9000万件の購買意欲データのほか、外部のデータ供給パートナーから提供されるブランド公開のデータ。そして地域、生活様式、興味、行動特性、購買履歴、将来予測など、約7億プロファイルのブランド未公開のデータを活用することができる。
「旅行や金融商品、車、教育など、さまざまなサイトのビッグデータをシステムに蓄積し、タグ付けを行って、企業間でそのデータをやりとりする。マーケットプレイスから必要なデータを抽出し、自分たちのお客さまについて理解していなかったことを知るためのデータを獲得することができる」(タワコル氏)
活用事例としては、まず自社サイトへの訪問、登録フォームへの顧客情報の記入、Eメールによるプロモーション情報、カスタマーセンターへの問い合わせ、キャンペーン登録、商品の検索、店舗での購買情報、モバイルアプリなどで顧客を知る。次にサイトへの再訪問の促進と外部データによる潜在顧客の探索を行う。
また広告から自社サイトにユーザーが訪問したにも関わらず、商品の購入などに至らなかった場合、さまざまな広告メディアを通じてそのユーザーのニーズを満たす(例えば「今なら送料無料」などの)カスタマイズされた広告クリエイティブを出稿して、再来訪を促進することが可能になる。
「この方法は、競合のサイトを訪れたり、価格比較サイトを訪れたり、見込み客の探索に対しても有効になる。これがデータドリブンマーケティングとして、最もよく普及している方法である。中でも特に台頭しているのが、自社サイトへの訪問者に応じてサイトの表示内容を最適化するサイトオプティマイゼーションである」(タワコル氏)
例えばプロフィールを見ると家具に興味を持っていて、その家具を買おうとしている女性に対し、"いまなら送料無料"といったサービスを提供することができる。また芝刈り機に興味がある別の利用者のトップページだけに芝刈り機を表示することも有効になる。タワコル氏は、「サイトを利用者に最適化することで、200%、300%の売上向上を実現している企業もある」と言う。
もうひとつのアナリティクスとして、よく使われるようになってきたのが、既存のお客さまの類似モデルを設計することによる潜在顧客の発掘である。
例えば広告代理店の担当者やマーケターが、データの属性を見て顧客を理解しようとしても、非常にデータ量が多いために実現できない。一方、類似性モデルを活用することで、何千もの顧客、何百万もの製品からアルゴリズム的なスコアを導き出すことができる。これにより、どの媒体に広告を配信すればよいかがスコアとして把握できる。
「芝刈り機を購入した1万人分のデータがある場合に、100万人分のデータから、実際に芝刈り機を購入した1万人分のデータと類似しているものをアルゴリズムで分析する。そして、類似している人だけに広告を限定して配信することができる」(タワコル氏)
データドリブンマーケティングで高いROIを実現
米国のグローバル大手ソフトウェア企業では、店舗やサービス、クラウドなど、さまざまなデータグループに分かれていたものを、データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)に統合し広告配信を最適化している。
「この企業ではデータをいろいろなチャネルで活用する、データドリブンマーケティングがきちんと機能している。これにより、高いマーケティングROIを生み出すことができる。特にリターゲティングが効果を生み出している。別の金融機関では、見込客の探索で200%の効果を出した例や、リテール企業で、データに基づきクリックスルーレートを向上した例もある」(タワコル氏)
そのほか自動車メーカーでも、広告に対するレスポンスレートが2倍、3倍に増えたという。タワコル氏は、「オーディエンスアナリティクスにより、無駄な広告宣伝をやめ、そのコストを新規顧客獲得に用いる。そして、データドリブンマーケティングにより、成果を出しつつ、売上を向上させ成長を拡大することができる」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「50 TOP PIZZA WORLD 2026」に東京のピッツェリア2軒がランクイン
-
2
「価値の安売り」から脱却する「誰に・何を・いくらで」の価格設計
-
3
スーパーホテルがAI経理代行に参入へ 自社ノウハウ外販、目指すは「稼げる経理」
-
4
鉄道高架下に「大人の秘密基地」、都心の残された一等地の活用に各社も本腰
-
5
沖電気と日立製作所がATM合弁発足 キャッシュレス普及で利用減、効率化狙う
-
6
「機械ができることは機械に」── MDM整備でDX推進やAI活用の文化醸成を目指すJR西日本
-
7
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
8
東京、隠れ家過ぎる店3選
-
9
DX・AXプロジェクトの成功に必要な条件とは - コスモエネルギーHD ルゾンカ氏
-
10
世界初、走る回転寿司店「SUSHI BUS」が2026年10月にデビュー
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー