「やる以上は絶対の勝算を」 任天堂、スマホ本格進出の狙い なぜDeNA? 「ガチャ」は? 岩田社長語る(3/3 ページ)
岩田社長は「アイテム課金のすべてを一律に否定するわけではないが、ビジネスとして行き過ぎの手法が任天堂IPで使われることは望んでいない。スマートデバイスでも任天堂が納得しない方法でビジネスすることはありえない」と話す。
既存のビジネスモデルにとらわれず、さまざまなトライをしていきたいという。「スマートデバイスのビジネスモデルもどんどん変わっていくはず。その中で子どもを含めて安心して遊んでいただけるものを大事にしながら事業を展開したい。両社で新たなビジネスモデルの発明ができれば最高だ」。
追い込まれているとはまったく思っていない
両社の出会いは2010年6月。DeNAが任天堂に「モバゲータウン」(現在のMobage)に任天堂IPを供給してもらえないか、と打診したことがきっかけだ。その後も話し合いを続け、今回の提携につながったという。
「任天堂は危機感から提携を決めたのか」という質問に対して岩田社長は、「メディアには『任天堂は追い込まれている』と書かれることが多いが、追い込まれているとは全く思っていない」と反論。「世の中の変化に対応しなければどんな企業も必ず衰退するという当然の危機感はあるが、危機感から消去法で選択したのではなく、積極的にDeNAを選んだ」と説明する。
実際、任天堂はさまざまな企業から提携の打診を受けていたという。その中でDeNAを選んだ理由は「情熱」だ。「是非任天堂と一緒にやりたい、という情熱を強くお持ちだった。DeNAが“黒子”になってでも我々と事業したいと言ってもらえ、採り得る戦略のオプションが増えた。任天堂が単独でやるよりずっと魅力的なものが提案できると考えた」。
アプリの共同開発だけなら他社との提携もあり得たが、「メンバーサービスも共同開発し、専用機のために協力することもいとわず、エース級の人材をあてていただけるというコミットメントをいただいた」ことが決め手となったという。
「スマートデバイスへの取り組みが遅いのでは」という指摘には「遅いかどうかは数年後のアウトプットで判断されること」と反論。「いろんな出会いや議論、アイデアなどが同時並行的に起きた。タイミングが来たのだと思っている。これが証明できるよう頑張りたい」
資本提携を通じ、任天堂はDeNAの第2位の株主となる。守安社長は「単純なフィナンシャル上の株主ではなく、業務提携を通じた企業価値の向上につながる株主だ。協業を通じて任天堂のノウハウや考え方を盗む……と言ったらアレだが、ご教示いただき、単独でも素晴らしいゲームが作れるよういなりたい」とコメント。岩田社長は「お互い学び合いましょう」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
JR東、磁気乗車券を2027年春に廃止 小型券はQR付き大型券へ、環境負荷軽減
-
2
富士通、新方式の量子コンピューター試作機を世界初開発 ダイヤモンドで計算精度を向上
-
3
AI画像認識で検査効率化、技能継承やロボ自律制御にも活用へ 東芝総合研究所の落合誠所長
-
4
「AI社員」活用、NECは無人部署 DeNAには17体、南場社長「けなげ」と太鼓判
-
5
「ビール化」するサントリー「金麦」、救世主になれるか 10月6日発売 関西で販売強化
-
6
顧客価値創出へのAIの貢献
-
7
「身代金は支払うべきか」――YKK APが7年越しに気付いた経営とセキュリティの視点のギャップ
-
8
鷹は、自らの爪・羽根・くちばしを折ることで、生まれ変わる
-
9
マイケル・ジャクソンはなぜ白い靴下を履いたのか?
-
10
第53回:なぜ、日本企業では「考えるマネジャー」が育たないのか──AI時代、「言われたことは得意だが、課題抽出や提案は苦手」な組織から脱する方法
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー