ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
SNS時代に求められるリーダーのリスク・コミュニケーション力(1/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
私が地方自治体のアドバイザーとして意識付けをしている戦略的広報は、「マーケティング・コミュニケーション」「コーポレート・コミュニケーション」「リスク・コミュニケーション」の3つで構成されています。その3つ目の「リスク・コミュニケーション」は事件や不祥事が起きた時や、思うように成果が上がらない時にどのように真摯にユーザーに向き合って説明するかというコミュニケーションのことです。
地方自治体の例では、博多駅前の道路陥没事故が起きた時、福岡市の高島市長の記者会見や対応策は素晴らしかったですし、暴言問題で揺れた泉房穂・明石市長の謝罪会見や辞任タイミングは事件内容の是非はともかく、「火消し」という点でみると見事だったと思います。
民間企業でも不祥事が起きた時のマスコミ対応が悪く、社長が記者会見で逃げるような発言をして火に油を注ぐ結果となったニュースを私たちは日常的に目にします。吉本興業の5時間半に及ぶ社長会見は誰の目で見てもマイナス効果だったのではないでしょうか。闇営業をし、反社会勢力と関係していた芸人への非難がいつのまにか同情に変わり、擁護する意見が増えていく様を見ると、理屈よりも「社会の空気」や「感情」が社会の評価・評判に大きく影響しているように思えます。これは多分にSNSの影響が大きいでしょう。「モノ言わぬ国民」がSNSという発信、増殖装置を持ったことで、「モノ言う国民」になったのです。
ネット社会の到来までは、広く情報発信できるのはマスコミだけだったので、マスコミさえ押さえれば不都合な情報を隠すことができました。企業の広報室にもブラックジャーナリズム対策の人材がいたり、週刊誌の記事を金銭でもみ消したりしたこともあったでしょう。しかし、今は国民総事件記者時代。悪事は隠せないと割り切ったほうがいいでしょう。そういう時こそ真摯な態度で、誠実にコミュニケーションをしていかないと一番大切な信頼を失ってしまいます。逆に心からの謝罪会見と再起のための具体的な施策が、早い信頼回復を呼ぶと思うのです。
では、SNS時代のリスク・コミュニケーションにおける重要なポイントは何でしょうか?
1、公式発表まで間を空けない(なるべく早い記者会見)
事件から時間が経てば立つほど、臆測を呼び世間の注目が高まります。その空白の時間が感情に火をつけ、ネガティブ情報の連鎖が起こるので、とにかく早い情報開示が重要です。
2、真実を明らかにする腹を決める
分からないことは「分からない」と真摯に応えれば良いのですが、認識している事実を隠してもユーザーはその表情や言い方、しぐさで何かを感じます。つまりうそはバレますし、再炎上の火種になります。内部リーク者も次々に現れます。一つのうそをつき通そうとすると、さらに30のうそを重ねないとそのうそをつき通せません。真実を明らかにする腹を決めるのが一番です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
2
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
3
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
4
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
5
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
6
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
7
スキルの向上だけでは成長は望めない――より重要になる「成長マインドセット」とは
-
8
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
9
「レッドガス」時代の羅針盤【第三章】従来型グローバルサプライチェーン設計思想からの脱却
-
10
「その100時間は、何も生み出していない」――認知科学者・堀田創氏が斬るリーダーの"見えない疲れ"
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー