新人が勝手に育つ「10秒会話と質問」
第1回:相談できない新人にはこう向き合え(2/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
「助けて」「教えて」と言うことがチームへの貢献になると理解させる
指導者の共通の悩みに、「新人から困っていることや、分からないことをスムーズに打ち明けてもらえない」という点があります。ギリギリになってから、あるいは取り返しのつかない状況になってからでないと、新人がSOSを出せないケースが意外とあるのです。
新人は、困っていることや分からないことを放置しておくと、この先どんな悪影響につながるのかイメージできないので、つい先延ばしにしてしまいます。
「こんなつまらない質問をしたらきっと怒られるだろう」
「こんなことを言ったら、きっと、できないやつだと思われるに違いない」
「他の新人と比べられて、ダメなやつというレッテルを貼られてしまう」
など、いろいろなことを想像して、相談や質問を躊躇(ちゅうちょ)してしまうのです。この状態を放置していては「自ら育つ」体質に改善できません。当然、時短育成とは程遠くなってしまいます。
そうならないようにするには、指導者が新人に「助けを求めることは、恥ずかしいことではないよ。みんなで成果を出すために必要なこと。躊躇するのはおかしいよ」とはっきり伝えることか゛大切です。
指導者は、新人に「質問や相談を通じて仕事を前に進めることは、チームへの貢献になる」という思考を持たせましょう。「進め方が分からない」「業務がうまく理解できない」というSOSが発信できないタイプは、どちらかというと人の目を気にしたり、失敗を極度に恐れたりする慎重派に多く見受けられます。また、プライドが高く、大きな失敗をしてこなかったタイプも、質問や相談ができず、一人で悩みを抱えてしまったりします。
こういうタイプは、「もう少し自分で調べたら、誰かに聞かなくても済むのではないか」「周囲からできないやつだと思われたくない、なんとか自分で完結したい」と考え、問題を先延ばしにしてしまうのです。もちろん分からないことを自分で調べることも大事です。しかし、誰かに聞けばすぐ分かることを時間かけて調べている人は、時間コストという視点に欠けていると言わざるを得ません。
こんなときいつも私がとるスタンスは、「同じことを何度も言わせるのも怒るけれど、分からないことを放置して時間を無駄にしたらもっと怒るからね」というものです。常日頃から「困っていることを言わないで放置するのが最もダメ。すぐに報告、相談してほしい」というメッセージを伝えるようにしています。
なお、新人か゛自分からどんどん質問をするのはいいことなのですが、かといって、全く自分で調べようとせず、すぐ人に頼る姿勢もほめられたものではありません。自分の考えを持って、相談や質問をることも合わせて教えましょう。
新人には、「相談や質問をするのはいいけれど、少なくともノーアイデアで来るものじゃない。『私の考えはこう思うのですけれど、どうでしょうか』というように、自分でも考えてから来てください」と指導すべきです。
匠の時短質問
分からないことを放置している新人に対して伝えるとき
「疑問点を放置すると、チームに迷惑が掛かるのはなぜかな?」
著者プロフィール:島村公俊
人事系コンサルティング会社を経験後、2006年ソフトバンク(旧ボーダフォン)入社。
ソフトバンクユニバーシティの立ち上げ参画し、研修の内製化をリードする。
日本HRチャレンジ大賞人材育成部門優秀賞、ソフトバンクアワードの受賞をはじめ、アジア初で米国教育機関よりPike’s Peak Awardを受賞。その他、千人規模の新人研修やエルダー(OJT、メンター)教育にも携わり、新人、若手の早期育成にも貢献する。
2015年に講師ビジョン株式会社創業。社内講師の育成トレーニング、OJTトレーナー研修、新人研修などを提供する。近著に『10秒で新人を伸ばす質問術』(東洋経済新報社)がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
日本とアジアの植物文化を編み直す拠点「大多喜有用植物苑」が千葉にオープン
-
2
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
3
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
4
ビジネスもセキュリティも「数字で示すしかない」 - JERA CIO兼CISO 行徳セルソ氏
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
器の大きい人は、メールラリーを、相手のメールで終わらせる度量がある
-
7
DX/AI時代における業務プロセス標準(PCF)を活用した業務改革
-
8
東京、高級ラーメン3選
-
9
定年後の給料が4割減……40・50代が知らないと地獄を見る“再雇用の残酷すぎる現実”
-
10
AIに賭けるDeNA、データガバナンスで安心・安全を
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー