「AIエージェント」登場でネット通販激変 〝アマゾン飛ばし〟でビジネスモデル崩壊も

 LINE(ライン)ヤフーは28日、通信アプリ「LINE」を通じて利用できる人工知能(AI)サービスを、アプリにすると発表した。10月の提供開始を予定している。利用者の質問に答えたり、買い物をしやすくしたりする機能が利用者に好評といい、単独のアプリとして需要があると判断した。LINEのように国内で普及することを目指す。

LINEヤフーが提供する買い物向けAIエージェント。画像からも商品を探すことができる=8月28日、東京都港区

 サービス名は「Agent i(エージェント アイ)」。チャット形式で質問などをして利用する。スマートフォン内の別のカレンダーアプリと連携して参加者の都合を集計する機能や、買い物メモの画像から必要な商品をヤフーショッピングで提案する機能が入る見込み。

 LINEヤフーは今後、旅行計画を自動的に作成するほか、ペットの健康相談ができる機能も加える。

ネット通販は転換期

 人工知能(AI)の進化とともに、インターネット通販が転換期を迎えている。人に代わって作業を担う「AIエージェント」が好みに合う商品を見つけてくれるため、大手通販サイトの強みが薄れ、メーカーの直販や小規模サイトも商機を見出しやすくなっているからだ。米アマゾン・コムはAI開発で後れを取っており、生成AIが小売店の直販サイトを推薦する〝アマゾン飛ばし〟の動きも加速している。

 LINEヤフーは今年2月に通販サイト「ヤフーショッピング」の利用者に向け提供を開始したAIエージェントの利用状況を公開した。米オープンAIの「チャットGPT」への商品掲載など機能を拡充したことで、AIエージェント経由の流通が7月時点で全体の2割に拡大したという。

 ポイント付与が優遇される日時を知らせる買い時の提案や類似商品を比較する機能がそれぞれ4割近い利用率となっている。「5000円ぐらいで海外旅行に着ていく服を探して」などと指示すると、他社サイトも含めて提案してくれる買い物向けのAIエージェントも展開する。

 楽天は通販サイト「楽天市場」で、出店者の性格などを読み込んだ「AI店長」を年内に試作する計画だ。店長のこだわりを生かした接客が24時間可能になり、各出店者が店舗を構える「テナント型」の楽天市場の特徴に合わせたAI開発を進める。

アマゾンは広告収入も減

 アマゾンはAI開発で出遅れている。外部モデルの利用料金が想定以上に高額化し、サービスの実装でつまずいたとみられる。アマゾンは戦略を見直し巻き返しを図るが、競合他社はその隙を虎視眈々と狙う。

 AIエージェントをうまく利用すれば、利用者の多さや品ぞろえなど、規模に左右されずに自社の直販サイトに顧客を誘導できる。AIの導入コストが大手サイトへの手数料や広告費を下回れば、利益率も向上する。アマゾンにとっては、売上高の減少にとどまらず、出店者から広告料をとって商品を上位に表示するというビジネスモデルの崩壊にもつながりかねない。(高木克聡)

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