6カ月後の姿を思い描けているだろうか?:問われるコーチング力(3/3 ページ)
企業目標を達成するために戦略を立てないという人はあまりいないだろう。戦略の中身はもちろん重要だ。しかし目標を確実に成し遂げるには、より具体的な方針が不可欠である。
ゴールまでの過程を書き出してみる
それぞれについて、具体的な例を紹介する。
●6カ月後の定量的なゴールは何か?
・3月31日までに売り上げ10億円達成。
●ゴールを達成すると、会社はどのように変化するか?
・全員の報酬が上がる。
・会社が大きく成長し、下期も年間予算を達成する可能性が高まり、成功する体質になる。
・会社の移転計画も進められる。
●そのために何をするか?
・進めているいろいろな事業や案件を精査する。
・新規の顧客が拡大しているので、丁寧にフォローアップする。
・セミナーに来ていただいた人にもきめ細かくフォローアップする。
・新しいセミナープログラムを考える。
●誰に何を任せるか?
・Aさんにコンサル事業。
・BさんとCさんに新規プログラム開発。
・Dさんに新規顧客獲得のマーケティング。
●ゴールを達成する上での課題と解決策は?
・メンバーが忙しくなり過ぎる傾向があるので、気配りを忘れない。
・健康管理を徹底する。
こんなに簡単なのかと思われるだろう。しかし、この程度の個条書きで構わないのだ。タクティックミーティングを通して、これらを紙に書き出しておくことで、6カ月後の成果は大きく変わってくるはずである。
プロフィール
細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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