生き残れない経営
チリ鉱山落盤事故とドラッカーと働きがい(1/3 ページ)
増岡直二郎氏による辛口連載「生き残れない経営」のバックナンバーはこちら。
過日、チリ鉱山落盤事故の被害者33人全員が無事救出されたが、その救出劇の背景の一つにドラッカーの愛読者であったリーダー、ルイス・ウルスワが沈着冷静にリーダーシップを発揮し、メンバーに役割を与え、やる気を引き出したことが幸いしたと、ある識者によってテレビで紹介された。また、ドラッカーの評判が上がったか。一方で、そんなドラッカーと結びついたうまい話があるものか、「こじ付け」だという意見もある。
しかし、こじ付けと切り捨てるのも1つの考え、また過日取り上げた「もしドラ」が萌え系の作り話で童話の世界だと断じるのも1つの考えだが、どちらも素直に参考にして己の日頃の経営・管理を反省するきっかけにするのも1つの考えだ。その方が得だともいえる。
チリ事故コメントの内容の真偽は別にしても、チリの事故で鉱員たちの強みを生かして、電気設備のメンテナンス、2次災害の可能性のある危険個所の見張り、鉱内生活の記録、広報などの役割をメンバーに与え、やる気を引き出して、生きるための張りを持たせ、密閉された極限状態の状況下で全員が協力して、生き延びたとすれば、立派なマネジメントであろう。
しかし、ある中堅企業の経営者が言った、「役割とやる気については、鉱山落盤事故という緊急事態での限定集団の限定期間のマネジメントだから分かりやすいが、われわれ企業では全員既に役割が決まっていて、モラールアップに日々腐心している。当たり前のことだ」
では「当たり前」なのに、なぜビジネスマンの「働きがい」の意識が、入社時から後年変化し、60%以上も否定的になるという問題が出てくるのか(第1表)。
結局入社当時と比べて「働きがい」が下がっているということは、10年も経つと従業員の役割があいまいになり、やる気が引き出されていないという1つの現れなのだろう。
一方、現在「会社で働きがいを感じているか」という意識調査によると、約30%以上が「感じていない」とし、「(強く)感じている」のは40代前半で約20%しかいない(第2表)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
見え透いたウソをつく部下への対処法
-
2
AI作成BGMで 来庁者のストレス軽減や職員の心理的負担緩和へ 東京・港区が実証実験
-
3
北欧コーヒーで温まる
-
4
世界初、走る回転寿司店「SUSHI BUS」が2026年10月にデビュー
-
5
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
6
鷹は、自らの爪・羽根・くちばしを折ることで、生まれ変わる
-
7
第1回 なぜ今「学び」が求められているのか
-
8
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
9
フジテレビが「アドレッサブル広告」開発 商用化に向け技術実証加速
-
10
50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー