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レジメのポイントと、レジメを書くと見えるかもしれないことヘッドハンターの視点(2/2 ページ)

ヘッドハンターがレジメを書いてくれると思っている人がいるようですが、基本的にヘッドハンターはレジメを書いてはくれません。

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 仕事の内容はできるだけ具体的に記載することも重要なポイントです。特に営業職の場合には担当したクライアント名が書ければベストですが、守秘義務などにより具体名を書けないケースがあります。その際には“超大手日系自動車部品メーカーへの営業を担当し、2 億円の案件受注”などと表現するのも一つの手です。

 営業職以外では実績が書きにくいという人もいますが、人事であれば社員満足度や、離職率なども指標にできますし、物流部門であればリードタイムやコスト削減などさまざまな切り口で実績を表すことが可能です。記載する実績が思いつかない方は……できれば現職でがんばった方がいいと思います。

 また、レジメは事実を具体的に記載する書類なので、「責任感が強い」「我慢強い」「柔軟性が高い」などの抽象的な表現の連発は読んでいて違和感があります。「何を根拠に?」「誰と比べて?」と突っ込みたくなります。

 さらに、一度書いたレジメをコピーして複数企業に送る人がいますが、それはちょっと違います。レジメは企業でいうところの会社案内ではなく、クライアントに提出する提案書です。情報が一方通行の会社案内と違って、提案書はクライアントのニーズが分からなければ書けません。

 レジメも同様で相手のニーズ(募集職種・条件)を理解して、自分のスキルの何が役に立つか、自分の経歴のどの部分が相手のニーズにマッチしているのかなどをその都度判断し書き換える(濃淡をつける)くらいの気持ちが必要です。

 できれば、現在は転職を考えていない人もレジメを書くことをお勧めします。自分のスキルや経験の棚卸をしながら、何をしていた時に心がワクワクしたのか、自分も周りも笑顔だったのか、また仕事から得た貴重な財産は何かなど思い出してみてください。転職するにしても、しないにしても、今後のキャリアを考える際に大切な「本当になりたい自分」が少し見えてくると思います。

 なりたい自分より「周りにどう見られたいか」を優先して行動するとストレスはたまるし、自己矛盾は起こすし、結局活躍できません。というのは、政治の世界も同じようです。

著者プロフィール

岩本香織(いわもと かおり)

G&S Global Advisors Inc.

USの大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。東京事務所初の女性マネージャー。米国ならびにフィリピンでの駐在を含む8年間に、大手日系・外資系企業のビジネス/ITコンサルティングプロジェクトを担当。 1994年コーン・フェリー(KFI)入社、1998年外資系ソフトウェアベンダーを経て、1999年KFI復帰、テクノロジーチーム日本代表。2002年〜2006年テクノロジーチームAsia/Pacific代表兼務。2010年8月KFI退職。2010年9月より現職。


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