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メモは「捨てるために書く」。能動的な自分になる「メモの書き方〜捨て方」とは?ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

ビジネスパーソンにとってメモは必須。しかし、そのメモをどのように取るかを可視化したものは存在していなかった。まじめにメモを取っていてもダメサラリーマンだった著者が研究し、たどりついた「捨てメモ」で可能性が広がった。

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「きれいに書く欲」を捨てるための“さかなの法則”

 (2)「きれいに書く欲」を捨てるための“さかなの法則”

「きれいに書く欲」を捨てる。つまり、メモすることに時間をかけすぎないということです。

 このときに意識するのが“さかなの法則”です。

  • さっと
  • カタカナで
  • なぐり書き

いかがでしょう?

 しかしなぜ、メモに時間をかけてはいけないのか? それは仕事をするうえでもっとも重要な「自分で考える」という行為を放棄してしまっているからです。

 聞いた話をそのままメモしているだけでは、何も考えていません。さかなの法則で書けば、「時間」も、「頭の中」も、「紙の上」も、余白ができます。

それを、「考える」という大切な作業に使うことができるわけです。

 聞いた内容よりも、そこから何を感じたのか、自分がどう行動するかなど考えたことをメモすべきなのです。

 (3)メモそのものを捨てる

 メモすることで一旦忘れ、別のことに集中する、というのはすごく大事な考え方です。しかしそのせいで、そのメモを放置してしまい、ずるずると行動が先延ばしになってしまっては、メモした意味がありません。

 パソコンのモニターの周りに付箋紙がたくさん貼り付けられて、大事な用件を見落としてしまうことがありませんか? そこで、こう考えることが大切です。

 「メモの賞味期限は48時間と心得よ」

 つまり、捨てる!と決めるということです。これにより、覚えられたり、行動ができるようになるわけです。

 これは日本マクドナルドの原田社長の手帳術にも書かれているのですが、

「浮かんだアイデアは覚えるのでメモ帳は要りません。書くと安心して忘れてしまうでしょう。それだと、メモ帳を失くしたらそれで終わりではないですか。だったら気合を入れて記憶した方がよっぽど安心できます。たとえど忘れしても、意味のあるアイデアなら、いざというときには必ず思い出せるものです。」(「激務をこなす経営トップ直伝の手帳術」より)

 アイデアマンの原田社長も「捨てメモ」と同じ原理でアイデアを生み出しているようです。

 では、今主流のデジタルメモはどうなのか? 本書ではあえてデジタルメモの記述は省きました。しかし、デジタルメモも同様で、例えば、Evernoteに何でも放り込むのは良いのですが、それを生かしているかが問題です。生かさない情報を、毎日取り込んで、時間をかけて整理していても意味がありません。

 「いつか使うかも? 」のために、どれだけの時間を費やすのでしょうか?

 ここでも捨てメモです。まず情報を捨て、取り込む情報を絞ってしまえば、タグを付けたりノートブックに整理したりする手間も減ります。Webサイトなどの「あとで読む」と思った情報は、読まなくてもたいてい済むことが多いのです。

 「きれいに書く欲」はデジタルメモでも不要でしょう。取り込む情報を、わざわざキレイに整理するのは時間の無駄です。内容が分かれば良い、ということがほとんどではないでしょうか。後日ほとんど見直すことが無いならなおさらです。

 デジタル情報のすべては捨てられないかもしれませんし、特に捨てなくてもいいかもしれません。しかし、読んだメルマガ、いらないファイル、写真など捨てられるものは多く、捨てたらすっきりします。

 意外に思うかもしれませんが、先日写真家の友人が過去の写真ファイルがすべて故障で消えてショックだったけど、無くなったら心が軽くなって、必要な写真を撮る意識が芽生えたので、よかったと言っていました。

 残して、「あとで」と先延ばしにするなら、「今読んで、捨てる!」のほうが何倍も成果が出せます。日本人には「もったいない」精神があるからか「捨てない習慣」があるのでしょうか。しかし、「捨てる」を意識するだけで、新たな可能性は無限に開けてきます。是非「捨てメモ」を試してみてください。

著者プロフィール:相葉光輝(あいば こうき) 

「捨てメモ」コンサルタント。

劣等性のダメサラリーマンだったにもかかわらず、メモを活用してゼロからアイデアを生み出し、年商30億円、150店舗のビジネスを社内起業するなど業界で話題の人となる。自身の開発したメモ術を体系化するため10年以上もメモに特化した研究を行い、経営者をはじめ3000人以上のメモを調査した結果、脳科学、行動心理学の要素も加えて最も効果的なメモ術「捨てメモ」を考案。現在は「捨てメモ」で身につくスキルを講演会やセミナーを通して伝えながら、周りの人の「夢の実現」をサポートすることに力を注いでいる。


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