ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
リーダーシップ3.0――カリスマから支援者へ(1/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
リーダーというと、多くの人がトップダウンで采配を振るうカリスマ的な強いリーダーのイメージを持ちがちである。しかし、現代のように過去に誰も経験していないような環境下では、経営の正解を知り、自らの意のままにリードするのは至難の業である。
カリスマリーダーの幻想
リーダー1人の力で、配下の従業員の能力や成果を評価し、やる気を起こさせ、組織を率いて行く、ということができるのはオーナー系企業のトップなどを除けば極めて限られている。それよりも、現場の一人ひとりが自律的に働き、価値を提供したり提案を上げたりすること(ボトムアップ)、中間管理層が活発な議論と組織の上下左右に対して働きかけ活性化する(ミドルアウト)がなければ、組織は立ち行かないことは自明である。従ってリーダーはそのような作用が起こる環境を整え、触媒になることが必要なのである。
にもかかわらず、強いリーダーにならなければいけないという呪縛により、メンバーとのコミュニケーションに迷い、自信を失い、自ら進むべき方向を見失っている経営層、事業部長、部長などの管理層が非常に多いと、企業研修やリーダークラスとのコミュニケーションを通じて常々感じている。例えば、部下に弱みを見せてはいけないと本来の自分に仮面を被り強がって見せる上司は非常に多いが、これでは、部下との信頼関係を築くことはできない。
リーダーシップの変遷
歴史的に見るとリーダー像は時代背景や、組織のあり方、フォロワーとの関係によって大きく変化していている。中央集権的な権力者のリーダーシップ1.0から、同じ権力者でも分権を指向した1.1の時代、調整者の1.5、そして変革者の2.0をとなった。そして現在は、支援者のリーダーシップ3.0の時代である。もちろん、その時代のすべての組織が該当する訳ではない。しかし、その時代を代表するリーダーシップが存在しているのだ。
―リーダーシップ1.0 ~1920年代まで 権力者<中央集権>(Command and Control)
―リーダーシップ1.1 1930-60年代まで 権力者<分権>(Management by Functions)
―リーダーシップ1.5 1970-80年代 調整者(Value-driven Management)
―リーダーシップ2.0 1990年代 変革者(Change Management)
―リーダーシップ3.0 2001年~ 支援者(Value Creation)
時代背景
支援者としてのリーダーが必要な背景としては、かつてのように画期的な技術が次々と生まれ、それに基づき製品やサービスを作って行くようなやり方ができなくなってしまったことがある。そのような環境下、リーダーの役割は一人ひとりのメンバーと向き合い、動機付け、その潜在能力を伸ばす支援が求められる。しかも、それは社内に留まらず、社外も含めて参画意志と能力のあるものを集め、試行錯誤の中で新しい価値創造を行う必要がある。
また、リーマンショックや、わが国の東日本大震災、原子力発電所事故 が 更に、いままでとは異なるリーダー像の輪郭を明らかにしたのである。いかにして収益を上げるかというHowを知っていることよりも、地球に対して、人々に対して何をすべきかというWhatを追究することが、 組織 をサステナブルな存在にするために必要である。むしろ、収益を上げることしか頭に無いリーダーは顧客や従業員、さまざまなステークホルダーから嫌悪感さえ抱かれるのである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
7
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
8
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
9
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
10
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー