なぜ文章力があるとビジネスは成功するのか?:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
お客さまが満足してくれればリピータになり、口コミで広がりビジネスが拡大する。どうすればお客さまは満足してくれるのか。
顧客満足度も文章で10倍アップする
これは私の著書「言葉をお金に換える文章術」(ぱる出版)で紹介したエピソードです。知り合いに整体治療院を経営している人がいます。彼は腕のいい整体師で、勉強熱心です。カイロプラクティックの大学も卒業し、解剖実習のために海外へ何度も行っています。ですから、自分の技術にはこだわりがあるのです。
彼の施術はわずか5分で終わります。神経を圧迫している骨のズレを修正すれば、神経の流れは正常に戻り自然治癒力が高まり病気は治っていくのです。ですから、変な電気治療とか、意味のないマッサージなどしなくていいと彼は言います。
実際、私は治療を受けました。作家の職業病で疲れ目に悩まされていたのです。施術はたしかにわずか5分でした。頸椎をカクンとしただけです。家に帰ってみると、少し体がだるくなって、発熱もありましたので早めに風呂に入って寝たのです。起きたのが翌日の夜でした。つまり、24時間以上も睡眠を取ったのです。こんなに寝たのは初めてでした。疲れ目はすっかり治癒していました。
しかし、こんなに素晴らしい技術を持っていながら、彼の治療院は閑古鳥が鳴いていたのです。たった「5分の治療で5千円も支払うのがバカらしい」というのが顧客からの声でした。つまり、顧客満足度が低いのです。たとえ、病気が治ったとしても、満足度が低いとお客さまは逃げていきます。
そこで、私は彼に「小冊子を作ってお客さまに渡したらどうか」とアドバイスしました。小冊子のなかに彼の治療がどういうものかを文章で書くわけです。わずか5分だけど、この5分のなかに素晴らしい技術が凝縮されていることや、体がだるくなること、発熱することもあること、それらはすべて治癒のプロセスであることなどを書いた小冊子が出来上がりました。
彼の治療院のお客さまは、小冊子を隅から隅まで読むそうです。そして、治療をすっかり理解し、友人にも小冊子を渡したいと言ってくれています。病院へ行くと、薬漬けにされて10万も20万も治療費を請求されるような病気も、彼の治療だと5千円で済むということを分かってくれました。
つまり、文章によって、たった5分の治療の満足度が10倍も100倍もアップしたわけです。
いかがですか? 文章がいかにビジネスを成功へと導くか理解できましたでしょうか? 次はあなたの番です。さあ、文章を学びましょう。そして、ビジネスで大成功してください。
著者プロフィール:高橋フミアキ
作家
1960年生まれ、広島県福山市加茂町出身。株式会社高橋フミアキ事務所代表取締役。
20代の頃、文豪中上健次に出会い作家を目指す。文章スクールを主宰/年間1、000人以上を指導。受講生から15名が出版デビュー。作家塾の塾生が南日本新聞文学賞受賞。企業研修で文章講義(キヤノン、アステラス製薬等)。J-WAVE(アンジャッシュ渡部の番組)に出演。著書『一瞬で心をつかむできる人の文章術』が、読売新聞の書籍ランキング総合で6位。
『一瞬で心をつかむ77の文章テクニック』『頭がいい人の1日10分文章術』『名作書き写し文章術』『伝わる文章の書き方』『さすがと思わせるできる人の話し方』『うまいと言われる文章の書き方』『大富豪のおじいさんの教え』など17冊。累計30万部のベストセラーに!
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