日本式イノベーションの起こし方
イノベーターは無責任で無愛想?(1/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
イノベーションは、「ヨソ者」「バカ者」「若者」が起こす
第1回で、イノベーションを「経済成果をもたらす革新」と定義しました。それは、世界の人々の生活が根本から変わるような大変革もあれば、日常の仕事にあるカイゼンや工夫なども含まれます。そんなすべてのイノベーションに共通するのは、その発端が人にあるということです。では、いったいどのような人がイノベーターなのでしょうか?
イノベーションは、「ヨソ者」、「バカ者」、「若者」が起こします。まずヨソ者をイメージしてみましょう。
ヨソ者は大胆かつ無責任
組織の中で常識にどっぷりと浸かっているいわゆる組織人は、自らが置かれている立場、役割、日常業務、目標、評価基準等から抜け出すことは難しい。そう、しがらみにまみれているのです。
ヨソ者は、その点では大胆かつ無責任になれます。無責任とは聞き捨てならないですが、既存事業の責任に拘泥されるとイノベーションは覚束ない。ヨソ者はある程度無責任でいられます。既存事業と一定の距離をおくことができるのです。
また、ヨソ者が故に、組織での成功体験を積んでいない。このこともイノベーション創出には有利に働きます。成功体験は人を縛ります。成功が続くとどうしても次の行動に影響を及ぼしてしまうのです。ヨソ者は飄々とそんな壁を乗り越えていきます。
バカ者は不器用で無愛想
バカ者とは、知識が足りないとか、理解の度合いが足りない、ということではありません。何かに熱中するあまり、他への配慮が等閑になっている人や、不器用ながらもひとつの道を曲げずに歩き続ける人のイメージに近い。
ひとつのテーマや技術に没入するあまり、何か修行僧のような雰囲気を醸しだす人が、皆さんの会社にもいませんか?こだわればこだわるほど、組織の中での不器用さが際立ち、変に浮いている人。彼らがバカ者です。バカ者はイノベーターとしての大きな可能性を秘めています。
日本企業では、社員のバカさ加減が表出していないケースが圧倒的に多い。仕事と、自分の本当にやりたいことは明確に峻別して、職場では組織人としての人格しか敢えて表出させていない人もいるでしょう。隠れたバカ者こそが、イノベーション創出の軸となります。
若者は常識に囚われない
若者は、自社の事業を推進するためのさまざまな基準やシステム、暗黙のルールなどに染まっていない人、勤務経験日数が少ない人です。若ければ柔軟な発想ができ、企業の制約から離れることができそうです。経験を積んでいない分だけ、新鮮なものの見方や考え方ができます。
皆さんの職場に新卒の新入社員が配属され、しばらくして、新人から「どうしてこのやり方なのですか?」とか、「なぜ、他の方法を試さないのですか?」といった意見を唐突にもらい、ドキっとしたことはありませんか?
一般的に人は自分が働く企業での経験年数が短ければ短いほど、仕事の進め方や稟議などの組織の作法に拘泥されません。若い感性は、組織にとってイノベーションを起こす触媒になり得ます。物理的かつ精神的な若者を生かすことが必要なのです。
エリート社員にイノベーションは起こせない
若者ヨソ者バカ者は、出世街道まっしぐらのエリート社員ではありません。傍流のハグレ者であり、組織の中枢にとっていわば鼻つまみ者ともいえるでしょう。エリート社員は会社の常識にのっとって、既存事業を徹底して推進している人が多い。組織や事業の論理を崩すことがイノベーションを起こす前提でもあるので、エリート社員はイノベーションを起こせません。
定期的に新卒採用をしている企業では、物理的な若者は随時いるといっていいでしょう。近年は中途採用を積極的に行っている会社が増えていますが、そこにはヨソ者がいます。バカ者はどうでしょう? 「あいつは典型的なバカ者だなぁ」と何人かが思い浮かぶのではないでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
日本式イノベーションの起こし方
スティーブ・ジョブズと日本企業の事例から紐解く組織の中からイノベーションを起こす方法。
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
自転車ヘルメットを「カッコ良く」 学生が警視庁、良品計画とコラボ 広がる着用の輪
-
2
子供の夢をYouTuberからホワイトハッカーに! 具現化を進めるCISO - GMO 牧田氏
-
3
フジテレビが「アドレッサブル広告」開発 商用化に向け技術実証加速
-
4
5年で辞める予定の元数学青年が「しなやかな心とぶれない軸」でCISOへ - 富士通 太田氏
-
5
「世界のベストバー50 2026」に東京のバー2軒がランクイン
-
6
フィジカルAI実用化の壁をどう越えるか──経産省・PFNらが語る、"5~8桁足りない"学習データの現在地
-
7
眠れない日こそ活動量を増やそう。認知行動療法で自分を変える、一生モノの思考術とは?
-
8
「漏洩連絡が来た…」自分の個人情報が流出したら? 二次被害を防ぐ、対処法と日頃の備え
-
9
AI時代のチェンジリーダーに必要な条件とは? - 世界的デザイナー Takram 田川氏
-
10
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー