社長が「将来」役員にしたい人:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「次世代リーダーの育成」は多くの企業にとって高い関心事である。彼らが持つべき要件とは何だろうか。
このように、抽象的な要件ではなく、具体的な仕事の場面でその人がどう考え、どう行動するかを中心に、「どのような思考・行動習慣を持っている人に可能性があるか」、一方、「残念な人はどんな特徴を持っているか」、そして、「どのように努力すれば、可能性が生まれてくるか」などを25項目ごとにまとめてあります。
実務に挑み、実務を超える
本書の執筆の際に、最も重要視したことは、カバーにもある「実務に挑み、実務を超える人」をどのように育成していけばよいかということでした。というのは、経営リーダーの育成において、多くの会社で悩んでいることは、実務(ミクロ)で優秀であった人が、経営全般(マクロ)に駆け上っていく際に、その複雑性を把握することができず、よほど訓練しないとマクロで求められる優れた意思決定(判断)が実行できない、といった状況になってしまっていることです。
そこで、人材育成の方法として、MBAコースを受講させたり、あるいは戦略コンサルティング会社からの指導を受けたりすることがありますが、優れたコースや良い先生もそれなりには存在するものの、全体的に見ればそれほど効果的でないのでは、というのが私の結論です。それよりも、いま・ここ でやっている実務の仕事から、いかに多様な事象に目を向け、どれだけ思考の深みを作り、どこまで視野を拡大させられるか、すなわち、実務にどれだけ真剣に「挑み」、それを「超える」習慣を持ってもらえるか、こちらのほうがずっと重要なのだと考えています。
本書は、このように「経営リーダーになる人に必要な“実務”の捉え方、考え方」について述べていますので、この重要性に興味を持っていただける方には、類書にはない有益な情報が詰まっているのではないかと思っています。
著者プロフィール:秋山進
プリンシプル・コンサルティング・グループ代表取締役。リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表、および上場企業の社外取締役などを務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。書籍情報:「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体』(PHP)、社長!それは法律問題です(共著:日本経済新聞出版社)など。
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