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「睡眠8時間+8時間の断食」で、体重60キロが53キロ、体脂肪率17%が6.6%にITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/2 ページ)

間歇的断食により、集中力の増加や認知機能の改善、肥満者における体重減少などの効果が期待できる。断食と聞くと難しく考えがちだが、大事なのは無理せず長く続けること。

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 最近、医学的にも「間歇的断食」の論文が数多く発表されています。間歇的断食は、16時間以上食事を断つことで、神経、精神、代謝、循環など、さまざまな医学的メリットを享受することができます。

 間歇的断食により、血液では血糖、インスリン、総コレステロール、炎症マーカー、酸化ストレスマーカーが低下、アデポネクチン、ケトン体が上昇し、心臓では心拍数が減少、血圧が低下、肝臓ではインスリン抵抗性の改善とケトン体の産生、脂肪組織では脂肪の減少、脳では副交感神経の亢進と認知機能の改善、全身では炎症反応の減少、オートファジー活性が上昇します。

 その結果、集中力の増加、認知機能の改善、肥満者における体重減少、メタボリックパラメーター(中性脂肪/コレステロール)の改善、酸化ストレスや炎症の改善、肥満2型糖尿病患者において内臓脂肪およびHbA1cの軽減などの効果が期待できます。また、心血管疾患の改善、慢性炎症の改善、皮膚のアンチエイジング、アトピー性皮膚炎の改善などが見られます。

間歇的断食の実践は無理せず長く続けること

 間歇的断食の実践方法は、理論的には簡単です。「睡眠8時間+8時間の空腹」を実行すると考えてみてください。まずは週1回、できる範囲で実践します。12時間からだんだんと16時間に延長していくことも有効です。16時間の断食以外の8時間は、何をどれだけ食べても大丈夫です。また、断食中にどうしてもお腹がすいたら、ナッツはお腹が満たされるまで食べても大丈夫です。

 なぜナッツなのか。1回あたり1オンス(約28グラム)、1週間に7回以上のナッツを食べる人は、まったく食べない人と比較して、 20%以上死亡率が減少するという論文が発表されています。特に、心臓病、がん、呼吸器疾患による死亡が減少します。ナッツが苦手な人は、生野菜サラダ、チーズ、ヨーグルト、ゼロカロリーの飲み物でも同じ効果が期待できます。

 大事なのは、無理せず長く続けることです。また、体内時計のリズムにあった断食を実践することも必要です。基本スタイルである体内時計に合致した健康的な方法は、10時〜18時を食事をとってもよしとする断食方法です。また、働き世代に合致しているのは、12時〜20時を食事の時間とする方法です。

 オートファジーの「細胞刷新」効果を得るためだけなら、毎日実践する必要はありません。週1回でも、月1回でも、空腹の時間を作ることにより、オートファジーが活性化され、細胞が刷新されます。「朝から何も食べてないな。腹も減ってないし、もう少し空腹継続してみるか」。まずはこんな感じで始めてみてはいかがでしょう。

 間歇的断食のたった1つのデメリットは、脂肪とともに筋肉も落ちてしまうことです。そこで無理のない範囲で筋トレを行い、筋肉の減少をカバーしてください。

 私自身、舌がんの術後から11年間、がんの再発はありません。かぜやインフルエンザにも、まったく罹患しなくなりました。断食前は、体重60キロ、体脂肪率17%でしたが、断食後は、体重53キロ、体脂肪率6.6%まで減量できました。ウエストは72センチで、中年体形から超スリム体系になりました。

 できそうなときからでかまいませんので、ぜひ「空腹時間」を試してみてください。

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