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「吉田松陰」から学ぶ「明治維新をつくったリーダーシップ術」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

空気のように存在する「常識」に挑戦するマインドがあるか? 結果の問題ではなく、それは気概の問題だ。

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ポイント5「知 WISDOM」:何のために学ぶのか?

 学びには常に「枝葉の学び」と「根本の学び」がある。「根本の学び」とは、決して地上からは見えないけれど、大樹を支えているものだ。表面的に大きな活躍をしている人物には、必ずその人をつくった「根本」が存在する。「その人の人間性をつくっている学び」が「根本の学び」である。

 逆に、大樹の表面的に見える枝葉をつくっているのが「枝葉の学び」だ。その人が目の前の結果を出すために使っているテクニックや、出世をするためにとる資格の学びなどである。

 松陰はこう言い残している。

 「井戸を掘るのは水を得ようとするためだ。だから、井戸を掘っていても、水を得ることができなければ、どんなに深く掘ったとしても、井戸の目的は達成されない。

 人が学ぶのは、人として歩む道を得るためだ。だから、どれだけ学んでも、人間力を高めることができなければ、学ぶことの目的は達成されない。

 井戸はどれだけの水が出てくるかが問題なのであって、井戸の深さが問題なのではない。学ぶことも、どれだけ素晴らしい人になったのかが問題なのであって、知識の量や、経験の多さが問題なのではないのだ。」

 あなたはどんなことを学んできただろうか?

 それは、あなたの人間性をどのようにつくってきただろうか?

ポイント6「死 SPIRIT」:何を遺すのか?

 松陰は30歳という若さで処刑され、その生を終える。しかし、彼の志はその後、弟子達によって引き継がれ、明治維新の原動力となった。松陰の遺書は「留魂録」というタイトルである。「魂を留める」。そこには吉田松陰の志と後世を担う弟子達への想いが記されている。

 松陰は留魂録の最初にこう記している。

 「身はたとへ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも留めおかまし 大和魂」

 処刑されることが決まり、その生を終えるときに、この身体は亡くなったとしても、この大和魂だけは遺していきたい。松陰の願いがそこにある。

 われわれは、永遠に生きることはできない。

 われわれの人生は、永遠に生きることが目的ではない。

 われわれの一生が輝くのは、その間に何を成し遂げたかではなく、

 その一生を終えたあとに、永遠に続く何かを遺すことなのかもしれない。

 この命をどう使うか? ついに志を立てるときがきた。より詳しくは本書「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰」を参考に。

著者プロフィール:池田貴将

早稲田大学卒。リーダーシップ・行動心理学の研究者。

大学在籍中に世界No.1コーチと呼ばれるアンソニーロビンズから直接指導を受け、ビジネスの成果を上げる「実践心理学」と、東洋の「人間力を高める学問」を統合した独自のメソッドを開発。リーダーシップと目標達成の講座を開始すると、全国の経営者・役職者からたちまち高い評価を得た。

また安岡正篤、中村天風、森信三の教えを学び、東洋思想の研究にも余念がなく、中でも最も感銘を受けた吉田松陰の志を継ぐことを自らの使命としている。

著作に「未来記憶」(サンマーク出版)「動きたくて眠れなくなる。」(サンクチュアリ出版)「がんばらないほうが成功できる」(PHP研究所)がある。


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