Executiveインタビュー
コストを抑えつつも高品質なサービス開発で利益を追求する(1/3 ページ)
この経済不況の中において各企業が苦しむ中、インターネットショッピング事業を中心に着実に売り上げを伸ばしているのが楽天だ。強さの秘けつはどこにあるのか。同社の創業メンバーの一人である、取締役 常務執行役員 開発部長の杉原章郎氏に聞いた。
経営理念に忠実に
ITmedia 楽天は現在、どのような目標を掲げて前進しているのでしょうか。経営を担う立場としてお話いただけますか。
杉原 世界一のインターネットサービス企業を目指すというのが創業以来の目標です。これを掲げて年を追うごとに事業の中身を詰めています。それを遂行する中で感じているのは、エンドユーザー向けにサービスやシステム開発をするだけではなく、ショッピングモール「楽天市場」の出店者をはじめとする顧客、われわれ社員自身の3方向に目を向けて仕組みをつくっているということです。それぞれ使う人の気持ちになってシステム開発することが重要です。
ITmedia 楽天は成功に向けた5つのコンセプトも掲げています。これを情報システム部門の役割に置き換えるとどうなりますか。
杉原 当社は「常に改善、常に前進」「プロフェッショナリズムの徹底」「仮説→実行→検証→仕組み化」「顧客満足度の最大化」「スピード!スピード!スピード!」というコンセプトを打ち出しています。
常に改善、常に前進については、つくっているサービスやシステムには終わりがないということを意味します。単に新しいシステムに組み替えるのではなく、改善するためにはどうすべきかと常に考えています。わたしたちが強く意識しているのは、社員一人一人の状態を可視化して、定量的に把握することです。それが分かれば、自ら良い方向に変えていこうと行動できるようになります。
プロフェッショナリズムの徹底というのは、適当にお茶を濁すのではなく、プロ意識を持って限界まで仕事に取り組んでいくということです。ビジネスは制約条件下のゲームと言われるように、内部環境や外部環境などさまざまな制約があります。その中で最も良質なソリューションを生み出すことに挑戦しています。ですから人材育成についても、特に技術研鑽を重視しています。
仮説、実行、検証、仕組み化は、仕事の手順を表していて、営業も開発もこのサイクルを大事にしています。サイクルを回す中で、例えばルーチン化した方がいい業務、属人的なミスを減らすためにシステム化した方がいい業務を選定します。
それら3つを実行することが顧客満足度の最大化にもつながります。
スピードは競争に勝つためには不可欠です。当社の社長(三木谷浩史氏)は、スピードは単なる「速さ」以上に、「加速度」と「俊敏性」の要素が重要だといいます。システム開発にもそれが当てはまります。楽天は、AmazonやeBayのように一度に多大な投資をするのではなく、金額も人員もスモールスタートして、ビジネス環境に応じて段階的に開発していく手法をとっています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わる
-
2
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
3
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
4
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
5
イオン、フィジカルAIで物流改革 配送拠点の自動化率5割達成 深刻な人手不足に対応
-
6
子供の夢をYouTuberからホワイトハッカーに! 具現化を進めるCISO - GMO 牧田氏
-
7
経営と現場の板挟みになりがちなガバナンス、優先してやるべきことを明確に――リクルート 鴨志田昭輝氏
-
8
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
9
「仕方ないインシデント」まで全力を尽くせるか - さくらインターネット 江草氏
-
10
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー