経営革新の担い手たち

「社員やパートナーとの強い連携で、大規模なシステム統合を完遂」――三菱東京UFJ銀行・根本常務【前編】(2/2 ページ)

社内外から統合プロジェクトを管理する体制を構築

ITmedia プロジェクトの進ちょくや品質などを管理するために、どのような工夫をされましたか。

根本 進ちょくと品質確保の両立を図るために、大規模プロジェクトに見合うようガバナンスフレームワークを高度化しました。特に意識した点は、気付きの機会を豊富に設けること、バウチャー主義の徹底、コミュニケーションの円滑化の3つです。

システム統合プロジェクトの推進体制(出典:三菱東京UFJ銀行) システム統合プロジェクトの推進体制(出典:三菱東京UFJ銀行)

 気付きの創出に関して、例えば、プロジェクト遂行上のリスクを制御するため、常時全員が想定リスクを洗い出し、定量化してリスク量が分かるようにしたほか、アクションプランを立てて解消状況をトラッキングする仕組み(Risk Breakdown Structure)を構築し、リスクと対策の共有を図りました。あるチームが認知したリスクがほかのチームでも起きていないかを組織的に管理しました。そのほか、現場、現実、現物の三現主義の確認を徹底したり、IT企業出身の経営者の方や当社が活用している製品に詳しい方など外部の有識者にプロジェクトに入ってもらいチェック体制を敷いたりしました。

 バウチャー主義の徹底を改めて掲げたのは、正確な実態把握はもちろんのこと、とかくプロジェクトは外から疑心暗鬼の目で見られがちで、それに対して説明責任を果たす必要もあるからです。周囲から正しい理解を得て、必要な協力や貴重なアドバイスを受けるためには、事実や数字をもって明確に説明することが重要です。

 6000人それぞれの認識が食い違わずにプロジェクトを進めるためには、円滑なコミュニケーションも必要です。週次、日次の会議体、集中討議、合宿を実施したほか、ビジネスパートナーを含めた全員との情報共有を図るためのシステム部門専用のポータルを立ち上げるなど、あらゆるものをコミュニケーションの機会として活用しました。

(構成:伏見学)

インタビュー後編 「プロジェクト成功の鍵を握る現場力」に続く。

印刷する
SNSでシェア

この記事の著者

関連記事

ITmedia エグゼクテブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら

ぜひこの機会にお申し込みください。

入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。

入会条件:
上場企業および上場相当企業の課長職以上

※入会は無料です

エグゼクティブコンテンツ

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia エグゼクティブ SNS

X @itm_executiveをフォロー

インフォメーション

注目情報をチェック

ITmediaエグゼクティブをフォロー