つい踏んでしまうプレゼン失敗の地雷
完璧な企画書に潜む落とし穴(1/2 ページ)
「うちのチームリーダーが書く企画書は、いつも完璧」。そんなプロがいるチームは、プレゼン場面で大活躍。彼が書く企画書は、理路整然と整理され、企画も斬新で裏付けもきっちり押さえられている。そうなると当然、プレゼンの勝率は高まります。
しかし、そんな完璧な企画書にも、プレゼンのワナは潜んでいます。ともすると、企画書の完成度が高ければ高いほど、ハマってしまいやすい落とし穴。今回はそんなケースを紹介します。
居眠り続出の講演会
最初に、わたしが参加したシンポジウムで起こった、小さな「事件」から紹介しましょう。
午後一番のプログラムで、シンポジウムのメインともいえる講演が行われました。会場は満席。手元には、受付で配布された分厚い講演資料が広げられています。びっしりと書き込まれた資料には、テーマに沿った説明が詳細なデータとともに綴られています。これを見るだけでも、講演者の意気込みが伝わってきました。
講演がはじまり、1時間くらい経過したころでしょうか。そろそろ佳境にさしかかろうかというタイミングで、その「事件」は起きました。突然、講演者が手に持っている資料の束で、演台をバシッとたたいたのです。一瞬、会場の空気が張りつめました。そう、多くの参加者がうとうとと居眠りをしていたのです。講演の内容は秀逸でした。でも、居眠り者が続出してしまった。講演者はきっと悔しかったのでしょう。
「講演って、必ず眠くなるんだよね」「眠くなるのは、中身がないからじゃないか」「だいたいプレゼンと講演は違うでしょ」と思った方もいらっしゃるでしょう。でも、そう言い切れるでしょうか。
春の木漏れ日が差し込む講演会場。午後一番。こうした条件がそろえば、ありがちなことなのかもしれません。しかしよく考えてみると、参加者に睡魔が襲ったのは、それだけの理由ではなかったのです。
聞き手を眠りに誘い込んだ理由は、こんなふうに整理できます。
スライドと配付資料が同一
最初のころは、参加者も手元の資料を話に合わせてめくりながらも、スクリーンを見つめて聞き入っていました。スクリーンに映し出されているのは、手元の資料とまったく同じ、Power Pointで作成されたスライドです。
話を聞かなくても、読めばわかる
講演者の話は、基本的にスライド(=資料)に沿って進んでいました。つまり、話を聞かなくても、読めばわかってしまうのです。これ、ネタが公開された手品を見ているのと同じですね。そのうちに参加者は、勝手に資料を読み進めるようになってしまいました。
小さな文字がびっしり
おまけに文字やグラフがびっしりと並び、ページによっては文字が小さくてスクリーンが読みにくい。こうなると、徐々に参加者の視線は、スクリーンから手元の資料へと移っていきます。
資料が分厚い
資料が完璧で丁寧な分、話を聞く必要は薄れます。これだけで、受け手は聞いたつもり、分かったつもりになってしまうのです。
いかがでしょうか。講演もプレゼンも、同じではないでしょうか。もっと言えば、営業プレゼンなら、受け手は警戒心半分で座っており、聞く気がない場合もあるくらいでしょう。そうなると、話に耳を傾けてもらうには、講演以上に工夫が必要になるのです。
特に「プレゼンは中身。企画書勝負だよ」って思っている人は要注意。そんな方ほど、この落とし穴にはまってしまいがちです。もちろん中身のないプレゼンは受け入れられません。でも、いくら提案内容が優れていても、それが相手に伝わらなければ、プレゼンは成功しないのです。
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