戦略コンサルタントの視点
自虐的なメタファー「ガラパゴス化」を考える(3/3 ページ)
擦り合わせのプロセスそのものをブランド化せよ
提供する製品やサービスのみをマーケティングするだけではなく「日本の製品やサービスはすばらしい・クール・あこがれる」といったブランド構築も不可欠となってきます。
ブランド構築でも製品やサービスから一段深めて、それらを生み出すオペレーションまでを対象として行うことが必要でしょう。例えば、日本の製造業で得意とされてきた「擦り合わせ能力」を生かした製造プロセスのブランド化を考えていくといったことになります。日本の製造業が世界のトップレベルあることは間違いありませんので、日本のブランド構築のきっかけとして取り組むには最適のテーマの1つであるのは間違いありません。
さて、最後にIT業界が「高度な擦り合わせ技術による製品やサービスの統合」をキーワードに、クラウドサービスをプレミアム戦略で売り込むことを考えてみます。
IT業界でプレミアム戦略に向けた啓蒙を
新興国の企業を開拓するために、既にコモディティ化した製品であるCRMやワークフローなどを「クラウド型で無償」で提供することからはじめるのが良いでしょう。無償で提供することが収益圧迫につながるのではないかと気にする方もいるかも知れませんが、企業へ食い込むためには「肉を切らせて骨を断つ」ことを覚悟して望むべきです。
次の一手は、より複雑な製品である生産管理システムを、クラウドをベースに提供し、必要に応じてコンサルティングやカスタマイズサービスを提供していきます。これらは、日本では一般的な品質レベルではありますが、海外から見ると高機能なものとして認識されるでしょう。
しかし、これだけではまだ製品やサービスプレミアムというだけで、「仕組み」にはなりえません。
「仕組み」にするために、生産管理システムと同期されたリアルの物流サービスや物品調達に必要なマーケットプレイスの提供などを、統合サービスとして提供していきます。このように有機的につながった仕組みを構築することで、開拓時に幅広く接点を持った企業にロックインし、より大きな収益を上げることができるのです。
このサービスを展開していく上で、鍵となるのは日本のIT産業がプレミアムであることをしっかりと打ち出していくことです。製造業などと比べれば、IT産業はまだ世界での認知度が高くありません。そのためには、日本のIT業界を挙げてプレミアムであることをしっかりと啓蒙していくことが必要だと考えています。
当然ここでは、業界単体で行うことのみならず、先に世界で実績がある業界の「ブランド」を上手に使うことなども、考慮するべきです。
日本のIT産業が「やれること」と、そのために「やらねばならないこと」は、まだまだたくさんありそうです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
日本とアジアの植物文化を編み直す拠点「大多喜有用植物苑」が千葉にオープン
-
2
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
3
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
4
ビジネスもセキュリティも「数字で示すしかない」 - JERA CIO兼CISO 行徳セルソ氏
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
器の大きい人は、メールラリーを、相手のメールで終わらせる度量がある
-
7
DX/AI時代における業務プロセス標準(PCF)を活用した業務改革
-
8
東京、高級ラーメン3選
-
9
定年後の給料が4割減……40・50代が知らないと地獄を見る“再雇用の残酷すぎる現実”
-
10
AIに賭けるDeNA、データガバナンスで安心・安全を
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー