冬の時代が続く百貨店業界
「復権」を賭け反転攻勢に出る近鉄百貨店(1/3 ページ)
長引く景気の低迷から消費がなかなか回復しない。少子高齢化や生活者の価値観多様化もあって、日本企業はこれまでのビジネスのやり方を見直す時期にある。まさに「転換点」に差し掛かっている。
販売不振が最も深刻なのは、冬の時代といわれて久しい百貨店業界だろう。景気低迷、嗜好の多様化などから売上高の前年割れがもう12年も続いており、2009年は6兆5842億円。1985年以来24年ぶりの7兆円割れとなった。傾向が分かりやすい既存店ベースでは、前年比10.1%減という過去最大の落ち込みを見せた。
今年に入って持ち直しの期待もあったが、6月を終わった段階で前年比4.4%減と下げ止まっていない。
「昨年の5月はリーマンショック後の景気低迷や新型インフルエンザの影響で大きく落ち込んだ。そのため、この5月は前年並みに戻ると思ったが、まだまだ百貨店は厳しい」と話すのは、近鉄百貨店でMD(マーチャンダイジング)統括本部長を務める岡本嘉之氏だ。
近鉄百貨店では、他の同業他社と同様、不採算事業からの撤退や店舗運営の効率化を図りつつ、人員も事業規模に見合う形で削減を進めてきた。同社の年度末にあたる今年2月で旅行事業から撤退、やはり年度末まで募集していた希望退職に全社員の約2割にあたる約700人が応募した。一連の構造改革で90億円を超える赤字を計上したが、今年度以降は人件費などの経費削減により、利益を出せる見通しだ。
「しかし、熾烈な生き残り競争が予想される中、縮小均衡一辺倒ではダメ。現場の社員が減る中でも阿倍野本店や上本町店の改装などで打って出なければならない」と岡本氏。
この夏、難波にある新歌舞伎座が引っ越し、新商業施設「上本町YUFURA(ユフラ)」として隣にオープンするのに合わせ、上本町店は全館改装する。上本町は、近畿日本鉄道発祥の地である。今でこそ難波まで地下路線が延びているが、多くの近鉄電車が発着するターミナル駅だ。
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