冬の時代が続く百貨店業界
「復権」を賭け反転攻勢に出る近鉄百貨店(2/3 ページ)
2014年に阿倍野本店全面改装、日本最大を目指す
梅田、難波に次ぐ大阪第3のターミナル、阿倍野・天王寺でも4年後のオープンに向け、阿倍野本店の建て替え工事を進めている。2014年春竣工の「阿部野橋ターミナルビル タワー館」(仮称)は、地上60階、高さ約300メートルという日本一の超高層複合ビルとなる。近鉄百貨店は、このビルの地下2階から地上14階に10万平米の売り場を構える。ビルと同様、目指すのは日本最大の百貨店だ。
「大阪には"2011年問題"というのがあり、個々の百貨店の競争もさることながら、ターミナル間のお客様争奪戦も厳しさを増してくる」(岡本氏)
2011年春、梅田にJR大阪三越伊勢丹が新規出店、大丸梅田店と難波高島屋は増床改装する。さらに翌春には梅田阪急ビル全館の建て替え工事も完了する。こうした新規出店・改装により、大阪市内の百貨店の売り場面積は2005年と比較して50%以上も増えるという。まさに生き残りを賭けた熾烈な競争が予想される。
さらに百貨店の事業を難しくしているのは他業態の成長だ。小売りは、何も百貨店だけではない。家電量販店やユニクロ、ニトリ、トイザらスといった、いわゆる「カテゴリーキラー」は文字通り百貨店を苦しめている。
「百貨店はこれまで富裕層に対応してきたため、若年層やファミリー層のお客様を他業態に奪われてしまった。百貨店らしいプレステージ商品も必要だが、お客様の目は低価格商品にも流れており、2極化している」(岡本氏)
近鉄百貨店では昨年秋、紳士服の価格を見直し、イタリア製生地を使いながら、1万9000円と2万9000円という低価格のオリジナルスーツを投入、計画を上回る売り上げを達成している。同社は従来の百貨店にはなかった同様の低価格商品を婦人服などにも順次拡大中だ。2014年オープンの阿倍野新本店では「百貨店の復権」を賭け、こうした他業態の得意分野にも反転攻勢をかけ、すべての客層を呼び込む「フルライン・フルターゲット」型商業施設を目指すという。
こうした価格政策商品の開発と並行して近鉄百貨店が進めてきた商品力強化のもうひとつの柱が、本部主導によるマーケティング、商品仕入れだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
日本とアジアの植物文化を編み直す拠点「大多喜有用植物苑」が千葉にオープン
-
2
ビジネスもセキュリティも「数字で示すしかない」 - JERA CIO兼CISO 行徳セルソ氏
-
3
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
4
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
器の大きい人は、メールラリーを、相手のメールで終わらせる度量がある
-
7
新幹線にスマホ10台! 説明前にまず自分で確かめる - Zimperium 成田氏
-
8
50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ
-
9
フジテレビが「アドレッサブル広告」開発 商用化に向け技術実証加速
-
10
AI画像認識で検査効率化、技能継承やロボ自律制御にも活用へ 東芝総合研究所の落合誠所長
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー