ベストチームとは何か
チーム名は“笑う正直者”――システム・コーチングの現場~その1(2/2 ページ)
リーダーDさん
「早くもいろんな気持ちが聞けて、正直驚いている。この調子で、何でも話していけるといいかな。そうしてもらえると俺も話しやすいし。俺が約束できることは、そう、ここでの発言で君たちを評価しない、っていうことかな」
メンバーEさん
「それはありがたいですね。いろんなことを話して、Dさんにマイナス評価されたらどうしよう、という不安はやはりありますから。僕としては、やらないならやらない、やるんならやるではっきりさせて、皆で力を合わせたいですね。正直、今はまだまったくチームになっていないので、この先が不安です。僕の約束としては、ぼくは皆さんがやるならやりますよ。先ほど話し合ったとおり、重要な取り組みであることは理解しています」
メンバーFさん
「どんなムードといわれてもねえ……。僕もこの4人がチームだとはまだ思えていないんです。リーダーから評価の話がありましたけど、実際、このプロジェクトと人事評価って結びついているんですか? 結局“数値目標にこだわったもの勝ち”なんじゃないですか? もしそうではなくて、これが人事考課に影響するならがんばりますけど(笑)。わたしの約束は、もともと何でも言わせていただいてきたので、引き続きいつものスタイルでいきます」
メンバーGさん
「なんでも話せといわれたら、わたしには余裕がない、ということになるのですが、そんなスタンスでよろしければ、それを言い続けます」
その後、チームリーダーDさんから、これが会社として重要な取り組みである以上、このプロジェクトでの活躍も人事考課上加味されると伝えられた。ただし、Dさんとしては、セッション中の各自の本音の発言を人事考課上の評価に影響させることはしない、という旨の説明と約束があった。ここで、チーム内の緊張感が幾分ほぐれ、空気が和んできたことで、さらにスムースに対話が進んでいった。
その結果「何でも感じていることを正直に話す」という約束のもと、「ネガティブなことも笑って言い合えるムードにしていこう」という合意を形成することができた。
その後、システムコーチからの次の投げ掛けで、「何があったらこの4人はチームであると実感できるか」という点について話し合う時間となった。早速先ほどの合意が威力を発揮し、和やかなムードの中でさまざまなアイディアが飛び出し、参加者の顔にも笑顔が浮かび、ときおり笑い声も聞こえている。そこで話題になったことから、チームになるための取り組みが浮上してきた。
まず、チームに名前をつける。これは、幾つかの候補の中からチームの合意を表すものとして「チーム“笑う正直者”」となった。さらに、日々の仕事の中で互いに顔をあわせた際には、お互いに笑顔であいさつをしよう、という提案があり、次のセッションまでの間、この「笑顔であいさつ運動」をやってみよう、という案が採用された。この取り組みについては、全員が腹から納得しているとはいい難い状況ではあったが、時折会議室に響く笑い声が、明らかにこのチームがチームとして新たな一歩を踏み出し始めたことを物語っていた。
次回は、「チーム内の感情を聞き取る」をテーマに、第2回目のセッションについてお伝えします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
2
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
3
「対策している」と「守れている」は違う - 防御力を経営に見せる富士通のサイバーセキュリティ戦略
-
4
「薬機法申請の添削AI」を現場が作った――ライオンが100人のAI開発者を育てて見えた「民主化」の分岐点
-
5
「技術を知らなければ、適切なリスクは取れない」 マネーフォワードCISO 松久氏
-
6
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
7
20代男性が好きなサッカー選手は?――つぶやきの分析でマーケティングが変わる
-
8
「価値の安売り」から脱却する「誰に・何を・いくらで」の価格設計
-
9
「話を聞いてもらえない」のは、内容のせいとは限らない――伝わる人が押さえる第一印象
-
10
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー