一橋大の米倉氏――「若手技術者よ、Twitterをしている場合ではない」(1/4 ページ)
成長戦略はいつから見えなくなったのか
まもなく中国にGDPの額を追い越されるという事実。政治、外交、そして経済、どの面をとってもピリっとしない日本の現状と相まって、どうにもやりきれない気分にさせる。しかし、米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センター長は「問題は、1人当たりのGDP。14億人の人口を抱える中国はようやく1人当たりのGDPが日本の12分の1程度になったというだけ」と語る。
1人当たりのGDPのランキングにおいて、日本は1993年から1996年にかけて、そして2000年に世界第3位になった(為替レートベース)。1位、2位はルクセンブルク、スイスといった人口が日本よりはるかに少ない国が占めている。人口1億人以上の国がこうした国に次いで3位になるということは珍しい。しかし、最近のランキングにおいては、日本は2005年に15位、2010年では23位になるだろうと予測されるなど、低迷を続けている。米倉氏は次のように話す。
「皆さんは日本の経済力について、こんなふうに考えていませんでしたか? 日本企業は国内で激烈な競争にさらされ、さらに世界一厳しい消費者の選別に遭う。だから世界でも強い競争力を持っているのだと。しかし、例えば携帯端末の市場では日本企業は全部合わせても、世界で3%前後のシェアしかない。株価は低迷し、配当を増やしても改善しない。それはなぜでしょう。成長戦略が見えない企業に投資する人はどこにもいないということなのです」
米倉氏は2007年ごろの話を例に挙げて、さらに説明を続ける。
「実感はないけれど、企業の利益率が高まり、景気はいざなぎ景気を超えたと報じられました。どうしてか。コストをカットし、付加価値を下げて利益を確保していたからです。見かけは効率経営のように見えた」
コストを切り詰め、利益の確保に専念するあまり、企業は成長のための投資をしてこなかった。そのつけが今回ってきている。その間に世界は大きく変わりつつある。中国、インドを中心としたアジア市場の急速な成長だ。当然日本企業もアジア市場に向かって舵を切った。しかし、今の日本企業に戦う力はあるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
第53回:なぜ、日本企業では「考えるマネジャー」が育たないのか──AI時代、「言われたことは得意だが、課題抽出や提案は苦手」な組織から脱する方法
-
2
DX・AXプロジェクトの成功に必要な条件とは - コスモエネルギーHD ルゾンカ氏
-
3
2026年版「世界のストリートフード都市ランキング」発表、1位はホーチミン
-
4
「AIが勝手にやりました」は通らない トラブルの瞬間に試される責任の所在
-
5
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
6
画面の中だけで満足してない? AIが「現実世界(フィジカル)」を動かし始めた衝撃
-
7
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
8
世界のトップ層は何を議論している? 第一線の論客から見えた「やらかしの正体」
-
9
「進まざる者は必ず退く」、現状維持は大きなリスク - みずほFG CISO 寺井氏
-
10
第49回:なぜ、マネジメントは経営陣と施策を握れないのか──提案を受け入れられるマネジャー、評価されるマネジャー、経営陣に抜てきされるマネジャーはここが違う
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー