なぜ組織は「迷走」するのか
関係性から、未来は生まれる(3/7 ページ)
第二層:人や自分を評価・判断する層
他人や自分自身に対して「それはそうだよね」「それは違うんじゃない?」「○○であるべきでしょう」「もっと整理して話してよ」「話が長いなあ」「その話は前にも聞いたよ」「自分は人と話すのが苦手だ」といった評価・判断を瞬時に繰り返しているのがこの層です。
人は誰しも絶対視している前提を無自覚に持っていますが、その前提がフィルターとなって、フィルターに合うもの、合わないものを瞬時に判別しています。
例えば「少子高齢化は全く進んでいないよ。国内の出生率は一度も下がったことはないし、あれは、時の権力者が自分の私欲を肥やすために作ったムーブメントにすぎないよ」という意見を聞いてあなたはどう思いますか。
「え!? この人何を言っているの?」という声が心の中に沸きあがったのではないでしょうか。その声がまさに「少子高齢化は進み続けている」という自分のフィルターに合わないために生じている「評価・判断」の声です。
また、先ほどお伝えしたように人は欠けている部分に目がいくという性質を持っているため、自分が認知した特定の問題を肥大化してとらえてしまい、歪んだ認識のまま原因や解決策を結論付けて、テコでも動かない固定観念を構築してしまう傾向があります。
リレーションシップ・クライシス状態に組織が陥った際、「腹を割って話そう」ということがよく言われますが、多くの場合、この固定観念化した原因や結論を出すことに終始してしまいます。結果、議論が堂々巡りを続けるだけとなり、お互いに「あいつは分かっていない」とか、「話を聞いてもらった感じがしない」といった体験に残されることが多くみられます。
ポイント:この壁を乗り越えるための鍵は、それぞれが自分の思考を客観視し、何も決めつけず(保留)、自分が絶対視している無自覚な前提が何であるのかを深く見つめる(内観)ことにあります。これにより、議論が堂々巡りする根本的な原因や、自分たちが陥っている罠が何であるのかが浮き彫りになってきます。
議論が堂々巡りになっていたら、「もし、自分は無自覚な前提の上に話しをしているとしたらそれは何だろう」という問いを投げ掛けるなど内省を促すアプローチを行うといいでしょう。
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