エグゼクティブのための人財育成塾
SEのコミュニケーション能力向上がITを「武器」に変える~その2(1/3 ページ)
「OJTの復活」、最近このフレーズをお客さま先で良く耳にします。人が付加価値の源泉であり、人財のスキルを上げてより高い付加価値を生み出すためには、企業内で人財を育成する仕組みを用意する必要がある。そのためには、多くの日本企業が以前は当たり前のように取組んでいたOJTを復活させるべきだという考えです。確かに、OJTは日本企業の強みの源泉の1つだったとわたしも思います。SEばかりでなく、企業のコミュニケーション能力を向上させる手法としても、OJTは非常に有効な手段の1つだと言えます。しかし、一旦やめてしまったOJTをそんなに簡単に復活させる事が出来るのでしょうか?今回は、OJTを復活させるために企業で考えなければならないこと、またOJTでSEのコミュニケーション能力を向上させるための有効な手法を、具体例とともに解説します。
そもそもOJTと言うと、皆さんはどのようなやり方を思い浮かべますか?90年代のバブル崩壊以前に社会人になったかたがたの多くは、「俺の背中を見て学べ」、あるいは「技は人から盗むものだ」といったような考えに基づくOJTを想定される人も多いのではないでしょうか?このようなやり方でOJTを復活させる事は、多くの企業にとっては非常に難しい状況になっています。それは、OJTを提供する側と受ける側、および企業の社員構成が変化しているからです。この状況を、ビジネスで現場の中核となるべき30代および40代前半で見てみましょう。(図1参照)
この世代は「アラウンド氷河期世代」などと呼ばれる事もあるようですが、前回も書いたようにバブル崩壊後に企業が採用を絞った世代です。この世代の特徴としては、以下のような事が挙げられます。
- 成果主義の導入により、個人の力や成果に重きを置く
- 能力開発は自己責任で行う
- 歪な組織構造のため、管理職になっても部下が少数、時には部下がいない場合もある
- OJTをされた経験も自分が行った経験もあまりない
- 新卒採用を絞った結果、状況に合わせた中途採用も多く、自社の文化やDNAが浸透していない社員も多い
このような特徴を持った層に、いきなりOJTの復活と号令をかけても具体的な行動に移すのは難しいと言えるでしょう。また、理屈上はこのような層が論理的に行動に移すためにはOJT実績を評価に加える必要があるのですが、人材育成の視点を評価制度に取り込むようなBSC(バランスト・スコアカード)のような考え方は日本企業がうまく活用できていない手法である事も考慮する必要があるでしょう。
次に、OJTを受ける側の変化に関しても少し触れておきます。この世代は、「アラウンドIT世代」とも呼ばれるようですが、教育制度の変化も影響し40代半ば以上の人から見るとなかなか理解しがたい特徴も持ち合わせています。
- 厳しく指導されることに慣れておらず、褒められて育つ
- 個人キャリアに有用と考える知識習得に関心が高い
- 教えてもらう事が当たり前で、教わっていない事は出来ない事が当たり前と考える
- 知らない人との関係作りが得意でない
- コミュニケーションにメールを多用する
もちろん、全ての人がこうだというわけではありませんが、世代の特徴としてはこのようなことが挙げられます。このような特徴を持った社員を指導していくという事も念頭に置いた上で、企業の状況に応じたOJTの手法・仕組みを考える必要があります。
このような状況を押さえた上で、企業でのOJTの復活させるためにはどのような事を考えるべきでしょうか?さらには、SEのコミュニケーション能力を向上させるためのOJTとして有効な手法はどのようなものがあるのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「ビール化」するサントリー「金麦」、救世主になれるか 10月6日発売 関西で販売強化
-
2
世界初、走る回転寿司店「SUSHI BUS」が2026年10月にデビュー
-
3
10年後、さらに10年活躍できる組織を目指すアステラス製薬
-
4
「みどりの窓口」もAIに…音声で対話 JR東日本が実証機を公開、大宮・立川で実験へ
-
5
秋は色づいた葉で感じる
-
6
「ビジネスへの貢献こそがCIOの責務」――日産の行徳CIO
-
7
さっそく夏のバカンスをプランする
-
8
日本の高校生9割「AI使ったことある」 1年で2割超増、米韓上回る 宿題代行は慎重
-
9
「AIエージェント」登場でネット通販激変 〝アマゾン飛ばし〟でビジネスモデル崩壊も
-
10
CEDEC開幕、AIの最新技術展示 ゲーム開発者向けイベント…日本の魅力発信の講演も
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー