生き残れない経営
“経営者は社員の働き方に大いに不満”傾向と対策(2/3 ページ)
■経営者の社員に対して何が不満か
では、経営者の社員に対する不満と社員の認識と比較すると、どうなっているのか。経営者(幹部)が社員に要求する力と、社員が伸ばしたいと思っている力を比較してみる。
次表に示すアンケート調査は若手社員対象で、必ずしも全社員を網羅していないが、ある程度の傾向はつかめよう。
この表から明らかになる上司と若手社員との意識格差は、
・上司が期待している力で若手の認識が低いのは、(1)「困難を克服する力」、(2)「与えられた仕事や目標をやりぬく力」(%差は小さいが、順位差が大きい)
・若手が成長したいと考えるが、上司が重要視しないのは、(1)「業務に関する知識や技術」、(2)「仕事のおもしろさを感じる力」
次に新入社員の意識だが、上司・先輩社員から指摘された「困った新入社員の言動」に対して、新入社員が「自信がない」と思う筆頭は「指示待ちで自分から積極的に行動しない」だ。まさに、冒頭で示した経営者の不満を裏づけている。
一方で、新入社員に自信があるのは、「挨拶」「約束時間を守る」「返事をする」という、些細なことだ(日本コンサルタントグループ調査、'09.4.1.~30.の期間調査、新入社員男女882名)。
ここから、経営者や管理者が社会人基礎力を社員の身につけ付けさせたいと願うのは、当然とも言える。しかし、それは結果を急ぎすぎている。簡易埋立地に建造物を建てるように、あるいは基礎体力のない者が過激な運動に挑戦するように、人材教育のファンダメンタルズが不充分なところへ社会人基礎力教育を施し、尤もらしく評価シートを書き込むなどの策を講じても、定着もしないし、長続きもしないだろう。特に中小企業では無理がある。
先に分析したように、経営者が社員に不満を持つのはある面で経営者の思い込みがある。逆に社員の働きぶりに対する経営者の認識に、むしろ改革のヒントがある。
一方で、社員が企業人としての必要な力を誤解している。それは「マナー」や「明るく元気に、仕事をおもしろくやること」ではなく、「自主性」や「仕事の質」や「困難を克服する」などであることを社員に気づか付かせなければならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
7
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
8
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
9
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
10
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー