ニッポンの電子化は無駄ばかり、真の「IT化」を――イーコーポレーションドットジェーピー廉社長(1/3 ページ)

 国連の電子政府ランキングでここ数年、1位をキープし続けているIT先進国、韓国。一方、18位と低迷する日本。日韓両国の違いをよく知る立場から、現在、日本でITコンサルティング事業を展開しているイーコーポレーションドットジェーピーの廉宗淳社長に、日本が抱えるIT化の問題点について話を聞いた。

イーコーポレーションドットジェーピー 廉社長

 「“電子化”と“情報化”は似て非なるもの。ところが、日本では、行政も医療分野も教育分野も、今までのように対面サービス、紙ベースの業務プロセスを前提にデジタル化、つまり電子化しているだけ。だから、国民が喜ぶような公共サービスが提供できていないどころか、莫大な税金の無駄遣いが起こっている」(廉氏)

 廉氏は、公共サービスのIT化に関する日韓両国の違いをよく知る立場から、現在、日本で、国や地方自治体を対象に、行政、医療、教育の3分野で、ITコンサルティング事業を展開している。

 「もし、わたしが主催する“インターネット・コロンブスツアー”の参加者の10%でも真のIT化に取り組んでいたら、今回の消費税の増税は避けられたのではないか。わたしは本気でそう思っている」(廉氏)

 インターネット・コロンブスツアーとは、日本人を対象に、廉氏が2000年から実施している、韓国の電子政府や医療現場、教育現場などさまざまな分野におけるIT化の状況を視察するツアーのことだ。参加人数は延十数年間で4000人を超えている。参加者はITベンダーの行政関係者、国家公務員や地方公務員、政治家が多くを占めるという。

 「韓国の公共サービスにおけるIT化の現状を知ると、皆さん、大変驚き、日本でもぜひ実現したいと異口同音に言われる。しかし、帰国後、実際に行動に移されるのは1%程度に過ぎない。さまざまな障壁があって日本では困難だからだという。非常に残念だ」(廉氏)

 韓国は、1997年に起こったアジア通貨危機により、経済的に大きな打撃を受け、IMF(国際通貨基金)からの援助を要請する事態に陥った。その後、1998年に大統領に就任した金大中(キム・デジュン)氏が経済改革の一環として、IT産業の奨励を推進した。その結果、1990年代後半から、各分野でIT化が進み、一気にIT先進国となった。中でも行政に関しては、国連の電子政府ランキングでここ数年、1位をキープし続けている。一方、日本は、2012年度は18位と低迷しており、好転の兆しは見えていない。

 「日本は、公共サービスのIT化に関して、欧米をお手本にしようとするが、そもそも国の制度やしくみが違うため、あまり参考にならない。その点、現在の韓国の制度は、日本の統治時代の制度が基になっており、印鑑登録、戸籍制度、住民票の制度、保健医療制度は、すべて日本が韓国にもたらしたものだ。このように、日本と韓国の公共サービスは非常に似ているので、韓国は日本の先行事例になり得る、とわたしは確信している」(廉氏)

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