ITmedia エグゼクティブセミナーリポート
IT革命の成果を、そして個人の能力を生かす組織へ変革せよ(2/2 ページ)
リーダーの最後の拠り所は自分の信念
このような時代、リーダーには何が求められているのか。夏野氏は、「最後の拠り所は自分の信念」と語る。
「ドコモ時代を振り返ると、未来に向かって石を投げていくイメージだった。1年ほど進むと、前に投げた石が自分の近くに落ちてきて、“うまく行っているな”という感触が得られた。新しいサービスの仕込みには長い期間が必要で、iモードは1年半、FOMAの立て直しを図った900シリーズは1年、おサイフケータイは3年くらいを要している。そうやって石を投げ続けてきた」(夏野氏)
当然、蓋を開けてみるまでは、その仕込みの結果がどうなるか、誰にも分からない。もちろんリーダー自身にも。どうしても不安がつきまとうものだ。しかし、だからといって安易にマーケティング調査などに頼っていてはいけない、と夏野氏は指摘する。
「対価を払う人のニーズは時代の環境変化に応じて変わる。マーケティングに基づいて出せば成功するような時代は80年代で終わった。マーケットの声、顧客の声を聞いて開発するというのは、今やナンセンス。全く新しいサービスや商品に関するアンケートを行っても、顧客というのは、想像できないことに対してはネガティブな評価をしがちなもの。しかし、それを実際に出してみると売れたりする。そういう声に惑わされず、実際に対価を払う人の立場になって考えればいい」(夏野氏)
例えば、3年の仕込み期間を要した「おサイフケータイ」は、夏野氏が「小銭嫌い」だということが発端となった。氏は一人の消費者として、小銭を持たずに出歩ける、買い物ができるような環境を求めていたのだ。だからタクシーやコンビニ、駅売店などへ重点的に売り込んでいったという。
「今や、どっちの方向にも行ける世の中となっている。リーダーはプリンシプルを持っていること、ディレクションを持っていることが重要だ。そして、決めたらやることも大事。責任は、より重くなっている。しばしばガラパゴスと揶揄される日本だが、実は日本こそコンシューマーのレベルが世界一高い国で、最先端のサービスを生み出す土壌があると思う。同じものを海外に広める際には多くの課題があるが、それでも可能なものはきちんと海外に進出している。かつてのモノ作り時代には、日本製品は海外に広く売られていた。今はコンテンツ時代、やはり海外でも売れるものは進出している。リーダーシップさえあれば、それが可能なのが日本という国だ」(夏野氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ITmedia エグゼクティブセミナーリポート
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
7
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
8
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
9
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
10
CEDEC開幕、AIの最新技術展示 ゲーム開発者向けイベント…日本の魅力発信の講演も
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー