ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
創業43年目で株価が最高値を更新中~世界最大のソフトウェア会社、マイクロソフトに何が起きたか?(2/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
ナデラCEOは自らシリコンバレーを訪れ、競合他社はもちろん、オープンソフトウェアの世界のエンジニアたちとも次々に提携を結んでいきました。かつては敵対してきた相手です。ソフトウェアの世界で圧倒的な力を誇ってきたマイクロソフトは、自社製品で全てをまかなう道を選んでいました。しかし、オープンでない姿勢は、結果としてマイクロソフトの取り組みを後手後手に回させることになります。ところが、これが変わるのです。
社外はもちろん社内も驚いたのが、長年のライバル、アップルと手を組んだことでした。iPhoneは、マイクロソフトのアプリやサービスをたくさん使ってくれる素晴らしいデバイスだ、という位置付けなのです。オラクルも、セールスフォース・ドットコムも、同様です。オープンソフトウェアのLinuxまでクラウドビジネスの重要なパートナーになりました。
しかし、競合から見れば、マイクロソフトのソフトウェアを使っているユーザーは世界で十数億人。魅力は大きいのです。さらにパソコン用だったWindowsはゲーム機のOSにもなり、IoT機器のOSにもなりました。多くが無料の完全なプラットフォームになりました。こうしてマイクロソフトは、ビジネスパートナーが広がれば広がるほど、クラウドで稼げることになる、という状況になりました。この大胆なシフトは、マイクロソフトがクラウド領域において世界で戦える数社の一角を担う存在に転換できたことを意味しています。
何しろ、パソコンのOSで9割以上のシェアを持つ世界最大のソフトウェア会社なのです。他の企業と積極的にコラボレーションを始めたときのインパクトは計り知れません。しかも、マイクロソフトは先端技術でも大きなポテンシャルを持っていました。AI、ソフトウェアエンジニアリング、プログラミング、アルゴリズムなどで特許と論文がたくさんあり、優秀な人材がそろっていました。
今、他社にない未来をつくる技術でも注目が集まっています。マイクロソフト発の技術、MR(Mixed Reality/複合現実)です。VR(仮想現実)だけでもなく、AR(拡張現実)だけでもない。物理的現実と仮想現実の2つの現実が融合したまったく新しい世界。
このMRを実現しているのが、マイクロソフトが開発したデバイス「ホロレンズ」です。マウスもキーボードもいらず、ジェスチャーで操作。ホロレンズを介して見えるのは、バーチャルとリアルが一体化した世界。空間に3D画像が浮かび、Excelデータが浮かぶ。店舗づくりは、現地でバーチャルを組み合わせたイメージづくりが施工前に可能です。
実はITをよく知る人たちの間では、マイクロソフトの評価はうなぎのぼりになっていました。しかし、一般の人にはほとんど知られていません。これは、とても残念なことでした。大きな組織の変革成功例としても、ポスト・スマホ時代の技術を知る上でも、マイクロソフトという会社に、もっともっと注目しておいた方がいいのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
2026年版「世界のストリートフード都市ランキング」発表、1位はホーチミン
-
2
グーグル、AI生成コンテンツの「透かし」検出ツールを一般公開 画像、動画などで識別
-
3
東京のレストラン7軒がメキシコ政府から「本格的なメキシコ料理」として認定
-
4
50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ
-
5
「ウサギとカメ」の本当の教訓とは?――童話の教えを疑ってかかってみると、人生の本質が見えてくる
-
6
「薬機法申請の添削AI」を現場が作った――ライオンが100人のAI開発者を育てて見えた「民主化」の分岐点
-
7
「価値の安売り」から脱却する「誰に・何を・いくらで」の価格設計
-
8
これも詐欺? セキュリティ導入時に起きる悲劇をなくせ──「登録セキスペ」で地方・中小企業を救うIPA
-
9
Agentic AI前提でセキュリティを作り直す - Sansan 鴨志田氏
-
10
「“具体的”であることだけが本当に良いのか?」――「具体と抽象の往復」で考える
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー