ドラッカーが教える成果をあげる人の8つの習慣
第6の習慣 機会に焦点を合わせる(1/2 ページ)
打つべき時に打つべき手を打てない
今回のテーマは、成果をあげる人の第6の習慣「機会に焦点を合わせる」だ。
ある企業でこんなことがあった。その企業の経営チームは、いつも問題の解決に追われていた。ある年、病院向けにある測定器を開発した。その測定器は予想以上に売れ、生産が追い付かなくなった。そして、一般の企業や大学からも多くの注文が入るようになり、生産はさらに追い付かなくなった。うれしい悲鳴だった。
それは新しい機会の兆候だった。しかし経営チームは誰一人として、一般の企業や大学にも売れているという予期せぬ成功に気付かなかった。「狙った市場ではなかったが、そこにより多くの潜在顧客がいる」ということさえ経営チームは認識できなかった。営業マンを一般の企業や大学に行かせることもしなかった。アフターサービスを充実させる施策もしなかった。何年かがたったとき、その市場は競争相手に奪われ、さらに、その競争相手に既存顧客も奪われた。いったい経営チームは何をしていたのだろうか。
成果は機会から生れる
一般の企業や大学にも売れたことは大きな機会だった。しかし、その大きな機会に気が付かず、大きな売上を失った。経営チームは日々、今起こっている問題の解決に注意が引っ張られていた。その時起こっている機会に気付けなかった。これでは、どんなに頑張っても成果をあげることはできない。そうならないために、どうすればいいのだろうか。
ドラッカーはこう言っている。
問題ではなく、機会に焦点を合わせることが必要である。もちろん問題を放っておくわけにはいかない。隠しておけというわけではない。しかし問題の処理では、いかにそれが重大なものであろうとも、成果がもたらされるわけではない。損害を防ぐだけである。成果は機会から生れる。
ピーター・ドラッカー
目の前の問題を解決すれば物事はうまくいくと考えてしまう。しかし、それは錯覚だ。問題の解決はマイナスの状態をゼロにするのにすぎない。問題を解決してもプラスの状態が起こるわけではない。だから、機会に焦点を合わせなければならないのだ。
機会を列挙する
ドラッカーが言うように、問題を放っておくわけにはいかないし、隠しておくわけにもいかない。しかし現実は、起こった問題に圧倒されて機会を見失ってしまう。機会を見失わないようにするために、どうすればいいのだろうか。ドラッカーは「心を入れ替えて頑張ろう」とは言わない。常に具体的なことを教えてくれる。
ドラッカーはこう言っている。
問題に圧倒されて機会を見失うことがあってはならない。ほとんどの組織の月例報告が第一ページに問題を列挙している。しかし、第一ページには機会を列挙し、問題は第二ページとすべきである。よほどの大事件でも起こらないかぎり、問題を検討するのは、機会を分析しその利用の仕方を決めてからにすべきである。
ピーター・ドラッカー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ドラッカーが教える成果をあげる人の8つの習慣
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
新幹線にスマホ10台! 説明前にまず自分で確かめる - Zimperium 成田氏
-
2
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
3
NECの顔認証決済、ソフトバンクの社員食堂で実証 「顔パス」でレジ業務効率化
-
4
「ビール化」するサントリー「金麦」、救世主になれるか 10月6日発売 関西で販売強化
-
5
「人は育てるものではない、一緒に育つもの」――中野区役所・平田氏
-
6
「セキュリティ対策は情報漏洩対策」からの脱却を――ビジネスリスクと捉え、工場やサプライチェーンでの対策も推進するTOPPANグループ
-
7
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
8
「プライベート空間が魅力」JR東海「Supreme Class」体験会、半個室も初公開
-
9
創業43年目で株価が最高値を更新中~世界最大のソフトウェア会社、マイクロソフトに何が起きたか?
-
10
大人の語らいに。名品を味わう「アートなアフタヌーンティー」体験
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー