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欧州は成長をあきらめたのか「世界一蹴の旅」からすべて教わった(2/2 ページ)

「何かが物足りない」――。ヨーロッパ各国を周遊するにつれ、当初から抱いていた違和感は次第に大きくなっていった。

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日本は歩みを止めるべきではない

 最近は日本でも、生活の質や内面の豊かさを求める声が上がってきている。話題になっていた「ゆとり教育」や「ライフワークバランス」なども、その流れの一部だろう。

 ただし、欧州諸国と日本では大きく事情が異なる。多くの資源を持っていたり、アフリカやポリネシア諸国の(旧)宗主国であったりする彼らは、いわば過去の貯金で高止まりしている印象を持つ。

 一方、小さな島国である日本がこのまま歩むスピードを緩めてしまっては、確実に高止まりなどできないし、BRICsをはじめとする新興国にあっという間に抜かされてしまう。

 日本が先進国だという視点で考えると、「カイゼン」のような大和魂が生き続ける限り、常に成長への意欲はキープできるかもしれない。ただし今後は、働く量よりも効率を重視して必要最小限のパワーで最大の結果が得られるような方法を模索し、空いた時間で生活の質を高めていく必要がある。仮に働く量で生活の豊かさが決まるのであれば、日本人が圧倒的に世界1位にならないとおかしい。

 まだまだ発展途上でもあるという視点に立ってみれば、やはり英語教育を高めていくことが重要だ。以前のコラムでも述べたが、日本人の英語の会話能力は恐ろしく低い。低いということは、前向きに考えれば成長余地があるということだ。個人的には、現行の教育スキームの上に、リスニングとスピーキングに特化した英会話の授業を義務化すべきだと感じる。

 多極化する世界において、今後は欧州が高止まりし続けている状況も変わってくるかもしれない。こうした時代に成長意欲がないでは生き残れないのだ。欧州の人々はBRICsの成長ぶりをどのように感じているのだろうか。

 グローバル化のスピードはどんどん速まってきている。僕らが成長をあきらめてはいけない。

連載「世界一蹴の旅からすべて教わった」の過去記事はこちらよりご覧いただけます。




著者プロフィール

アシシ(左)とヨモケン

アシシ:1977年生まれ、北海道出身。大学卒業後、外資系コンサルティングファームに入社。6年勤めた後、ドイツワールドカップ現地観戦を理由に退職。その後、中田英寿の影響を受け旅人デビュー。半年仕事、半年旅人のライフスタイルも2009年で4年目に突入。自遊人布教活動を推し進める血気盛んな31歳。

ヨモケン:1979年生まれ、神奈川県出身。1998年、大学入学直後に日本代表とともに初めてワールドカップ(フランス大会)を体験。2002年、日韓ワールドカップをEnjoyし尽くして、同年、外資系コンサルティングファームに入社。2006年のドイツワールドカップを現地観戦後、同社の中国オフィスへ転籍。人生のマイルストーンをワールドカップイヤーに重ねながら、現在はフリーランスのコンサルタント兼旅人を満喫中。

「世界一蹴の旅」の概要や彼らの日々のブログはこちら



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