クライシス・コミュニケーション:海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)
企業の危機は数え切れないほどさまざまな形で表れる、クライシス・コミュニケーション計画を事前に立てておくこと。
インターネットの影響力
『インターネットは素晴らしいコミュニケーション媒体です。局地的な企業の危機に関する知らせを、まるでそのニュースが光速で飛んでいると思えるほどほんの数時間で、世界的に重要な問題に変えてしまいます。危機が発生した時、インターネットを使って危機を企業にとってプラスになるよう変えましょう。企業のウェブサイトやオンラインセミナー、ポッドキャストを使って、企業にとって好ましい形で危機の背景を伝えましょう。クライシス・コミュニケーションサイトを立ち上げ、それをメディアや世間にとって最も信頼できる情報源にして下さい。
また、ブロガーと平等な関係を積極的に作り、危機的状況の中、彼らを取り込んで下さい。企業をブロガーの中に押し込もうとしたり、企業の言葉で彼らとコミュニケーションを図ろうとしたりしてもうまくいきません。また、インターネット上の質問やコメントに対し、防衛過剰になったり、あるいは法的に対応したりすることは避けてください。可能な限りすばやく、内容がある情報をウェブ上で提供できるよう準備を整えることが必要です。「動的なリソース・リンク」および上級広報責任者につながる「クリック・トゥ・コールリンク」を付けることも忘れないでください。
従来のメディアはかたくなに直線的です。つまり、メディアがメッセージを広め、人はそれを受動的に受け取ります。しかし、その反対に、インターネットは全方向性であるため、情報を提供するだけでなく、他人の意見を聞いたり共有したりすることができます。そういったことこそ、危機的状況にある企業がウェブ上で行わなければならないことです』
情報を制するインターネットを上手に活用して、企業の正しい情報を広め、多くの人の意見を取り込むことが、危機的な状況下にある企業ができる最善策です。ですから、企業の評判を管理する担当者は、平時からインターネット上のあらゆるソーシャルメディアや影響力のあるブロガーなどをチェックしておき、危機が起こった時に速やかに対応できるように準備しておくべきなのです。
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この本の詳細
- 著者:ピーターF・アントニッセンは、クライシス・コミュニケーションについてフォーチュン100社の多くにアドバイスを行ってきました。その他、19名の国際的クライシス・コミュニケーションの専門家が記事を本書に寄稿しています。
- ページ数 244ページ
- 出版社および発売日 Kogan Page(2008年10月)
- 言語 英語
- amazonへのリンクはこちらです。
プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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