知識管理の基本:海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(5/5 ページ)
知識管理(KM)システムのメリット、KMシステムを計画、作成、更新、維持する方法、従業員が知識を活用し組織に貢献することを確実にする方法を学びます。
ルール5:KMシステムは結果を出し、 社風に適していなければならない
『組織的知識管理者は、求める結果および企業、専門知識に基づいてシステムを構築する必要があります。情報を集めたら評価をし、その情報が有益になるか確認してください。チームメンバーに情報の完全性、実用性、フォーマットを確認させましょう。将来、情報収集を円滑にするためには、テンプレートを作ることでデータ収集プロセスを標準化することが大切です。そうすることで均一にかつ簡単に情報を文書化することができるようになります。また、データ収集プロセスを、訓練プログラムや従業員評価などの企業のプログラムやテクノロジー、手順などと連携させることが重要です。次のようなツールを使ってデータの標準化および収集を行ってください。
- 実施後のレビュー―従業員はプロジェクトの結果および成功あるいはプロセスの改善を議論し、評価する必要があります。
- ベストプラクティス・セッション―参加者は、自分が知っている、業務を完了させるための最も効果的な方法を共有してください。
- コミュニティー―ネットワークを作り、従業員が情報を交換し、仲間とつながりをつくれるようにしましょう
- ブログ―KMシステムに関与している従業員が個人で自分のコメントをオンラインに残せるようにしましょう
- 事例データベース―データバンクを作る事で、オーディオ、動画ファイル、文書などの情報を事例ごとに保管する事ができます
- オンライン教育―オンライン教育を取り入れる事で、トレーニング・プログラムに自由にアクセスできるようになります
- モバイルトレーニング―携帯電話やPDA(携帯端末)などのモバイル機器からトレーニング教材にアクセスできるようにしましょう。これによって場所を問わず、トレーニングが可能となります
- 仲間支援―特別なスキルを持った従業員(社内外問わず)がほかの従業員に自分の専門知識を教えてあげる場を作りましょう
- ウィキ―従業員がオンラインのコンテンツを共有、編集することができます
- イエローページ―サービスプロバイダーが、自分の専門知識を宣伝できます
どのようなKMシステムも、ユーザーにとって唯一で、秩序が保たれた入り口である「玄関」を持つ必要があります。KM用に設計されたソフトウェアは大抵、そのような入り口を備えています。そのほかにも、使用状況を測るトラッキング機能や新しい情報を集め、それにアクセスができるシステムも備えています』
知識管理におけるゴールとは結果を出すことです。一言で知識管理と言っても企業それぞれで全く異なるわけですから、その企業の社風に合ったものでなければなりません。そのために必要なツールについてここでは言及されています。
この本の詳細
- 著者:クリスティ・ガーボル・アットウッドは、講演者、トレーナーであり、知識管理のアドバイザーです。
- ページ数 144ページ
- 出版社および発売日 ASTD Press(2009年9月)
- 言語 英語
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プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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