商談がうまくいくための250の質問:海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)
商談プロセスは、最終的に売り手と買い手の双方が利益を得られときに成立する。また、人は、商品を「理解した」時だけ、そのを購入を決断する。
オープニングの進め方
1つの質問で売り込み電話をより効果的なものにすることができます。短い紹介のあとにするその質問は、もし練習し繰り返し使用すれば、セールスパーソンとしてのキャリアを一変させることができます。その質問とは「来週の火曜日の朝10時にお会いしたいと思うのですが、いかがでしょう?」というものです。
売り込みの電話は手短に済ませなければなりません。なぜなら、売り込み電話の最終目的は見込み客と直接会う機会を作ることだからです。
もし、拒絶されたら(売り込み電話ではよくあることです)「弊社のサービスをご利用されたことはありますか? 」と尋ねることで会話の方向を変えて下さい。この戦略は「レッジ」と呼ばれ、見込み客との最初の会話の主導権を取り戻す必要 がある際に役に立つものです。
これは事実上、顧客の拒絶を利用して、顧客に自社製品あるいはサービスを利用した経験があるか突き止めるものです。見込み客と直接顔を合わせてする重要な商談を計画する上で役に立つ「レッジ質問」には、他にも「ご相談させて頂けないでしょうか? 」や「皆さまの前で説明させて頂けないでしょうか? 」そして「ご昼食をご一緒させて頂けないでしょうか?」などがあります。
一番緊張するのが最初のアプローチですね。確かにいきなり売り込みの電話をすれば、顧客は逃げるでしょう。むしろ、最初は顧客に会う機会を作ることが必要で、「会う」ことで、セールスパーソンと顧客の距離を縮めることができるわけです。最初は、「売る」のでなく「会う」ことを心がけるようにすることがとても重要なのです。
準備をする
新規の見込み客と商談の予定を組んだら、次の質問の答えを考えることで準備を整えて下さい。「30秒間で製品あるいはサービスを簡潔に説明できるか? 」「ライバル社と何が違うのか? 」「価格、サービス、あるいは質が違うのか? 」「訪問する会社について何を知っているのか? 」商談の流れを作り、次の段階へ進むための計画を立てて下さい。また、取引と関連する自社の成功話も準備して下さい。最初の商談であらかじめ考えた質問を次々としてはいけません。
何事も行き当たりばったりの行為がうまくいくわけありません。顧客について知るために、何を質問したら良いのか?また、逆に何を説明するのか?顧客との間で会話のキャッチボールができるように準備をすることが必要です。
つながりを作る
商談でビジネスの話に入る前に、新規の見込み客と親しくなる事が重要です。最初は、自分と相手に関係のあることについて話して下さい。商談プロセスを操ろうとしてはいけません。自然に始まるのを待ちましょう。
また、常に相手が話をするよう促すことが大切です。相手と親しくなるための質問には例えば、「お仕事はいかがですか? 」「ABCカンパニーにお勤めになってどのくらいですか? 」あるいは「そちらはご家族ですか? 」などと言ったものが挙げられます。相手と打ち解けられたら、ビジネスの話に入りましょう。
そのためには次のような質問をすると効果的です。
相手と打ち解ける〜効果的な質問を知る
- 「まずは私からお話しさせて頂いてよろしいでしょうか? 」
- 「始める前に、弊社の創立について少しばかりお話しさせて頂いてよろしいでしょうか? 」
- 「弊社がXYZ社様に対して行いました内容について少々お話させて頂いてよろしいでしょうか? 」
信頼関係を構築するということが商談を進めるうえでも最もスムーズに行くことであることは、疑う余地もありません。それゆえに新規の顧客との間での商談では、まずはそこから始めなければならないということです。ここでいう「つながり」とは「信頼関係構築」であると言えます。
この本の詳細
スティーブン・シフマンは、セールストレーニングの第一人者です。「Cold Calling Techniques」「Closing Techniques」など、ベストセラーとなった著書が数多くあり、それはどれも有益なものです。数多くの国内外の企業を顧客として抱えています。
- ページ数 192ページ
- 出版社および発売日 Adams Media(2005年4月初版)
- 言語 英語
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プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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