忙しい経営者が、時間の余裕を作るための「ちょっとしたヒント」:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
限られた時間のなかで、どうやって時間を有効活用するか。7つの視点から時間の使い方を見直すことで、時間の効率化を意識する。
3、分解する――細切れにすると時間は増える
時間と言うのは細かくすると価値が増えることがあります。例えば、1時間刻みで仕事をするのではなく、15分刻みで4つに分解してみる。集中力が途切れないようになり、時間の使い方にメリハリがついて、効率が上がるのです。個人差があると思いますが、時間を区切って、集中して仕事をすることで、効率は上がります。
例えば、午前中は15分刻みで自分だけで仕事し、午後からは人に会ったり、ミーティングをするため1時間刻みでスケジュールを管理する。こんなメリハリも有効だと思います。
4、楽しむ――つまらない仕事はゲーム化する
つまらない仕事は、後回しになって気が進まないもの。それを解決する1つの方法がゲーム化です。単純作業だったら、決められた時間にどれだけできるかをゲームのようにして楽しんでみる。
ゲーム化以外にも楽しくする方法はあります。一人で仕事をやるのが嫌だったら、部下を誘ってみる。オフィスのミーティングがつまらないと思ったら、居酒屋に行って気分を変えてやってみる。自分のストレスを減らせるような方法を工夫すれば、楽しくしかも効率も上げられます。
5、捨てる――人間関係はシンプルに
世の中には、残念なことですが、つきあうとうまくいくことがうまくいかなくなってしまう「危険人物」が存在します。仮に100人の中に3人の危険人物がいるとすれば、400人とつきあうことで、10人以上の好ましくない人とつながりを持つことになります。つまり、付き合う人が増えれば増えるほど、メリットと同時にリスクが高まるということです。
わたしは、経営者にとってより重要なことは、「誰と付き合うか」ではなく「誰と付き合わないか」だと思います。人間関係のリスク管理をすることで、トラブルに対応したり、無駄な時間に巻き込まれたりすることを防止すべきなのです。
6、買う――不得意分野はアウトソーシングする
不得意なことをやろうとすれば、時間もかかります。知識やコツを熟知している人なら30分で終わるのに、よく分からないから3時間もかかってしまったというケースは珍しいことではありません。
それならば、自分は得意な仕事に専念すべきです。逆に、自分が得意でない仕事は、お金を払って誰かにやってもらう。これが時間を有効に使うための発想です。会計士や弁護士といった専門家にアウトソースするのは当たり前になっていますが、それ以外の小さな仕事でも自分でやらない方法が無いか考えてみましょう。
優秀な人ほど、優秀な人に仕事を任せています。自分が一番得意な分野に特化するためには、アウトソーシングの発想が必要なのです。
7、俯瞰する――長い目で人生を見つめてみる
時間管理は目先だけで考えるのではなく、10年単位で考える「俯瞰」も必要です。10年後の自分、10年後の会社がどうなっていたいかを想像し、そこから今やるべきことを考えてみる。すると、今やらなくても良いことが見えてきます。毎日の生活に追われていると見えなくなってしまうものがあります。俯瞰することによって、状態から脱却することができるのです。
時間の使い方というのは、自分で変えることはなかなかできないのです。7つの視点から今の自分の時間の使い方を振り返ってみてください。きっと、自分の時間の使い方を変えるヒントが見つかるはずです。
著者プロフィール:内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長、一般社団法人海外資産運用教育協会理事長
1986年東京大学経済学部卒。
1991年MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業( MBA)。住友信託銀行、シュローダー投信投資顧問株式会社を経て、 株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。
2005年、 個人投資家に投資教育を提供する株式会社マネックス・ ユニバーシティ代表 取締役社長に就任。その後クレディ・ スイス証券プライベートバンキング本部ディレ クターを経て2013年1月より現職。
早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、 雑誌、ネットでの連 載コラムを担当。 主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「 内藤忍 の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「 好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。
公益社団法人日本証券業協会証券検定会員
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