サイバー攻撃の6つの真実――セキュリティ監視から見えたこと:2013年上半期 Tokyo SOC情報分析レポート
IBMセキュリティー・オペレーション・センター(SOC)では世界10カ所の拠点からネットワーク・セキュリティー上の脅威をリアルタイムに監視している。主に国内の企業に影響を与える脅威の動向を年2回「Tokyo SOC 情報分析レポート」としてまとめている。ここでは最新版レポートから特に重要なポイントを抜粋して紹介しよう。
「ドライブ・バイ・ダウンロード攻撃」は約4倍に増加
ドライブ・バイ・ダウンロード攻撃は、ユーザーが改ざんされたWebサイトを閲覧し、マルウェアに感染させられる手法です。前期956件→今期3972件と、約4.2倍に増加しています。
SSH・FTPサーバーへの「辞書/総当たり攻撃」は中国のIPアドレス経由が半数以上
「辞書/総当たり攻撃」とは、ログインIDとパスワードの組み合わせでログイン試行を繰り返し行う手法です。Tokyo SOCは、SSH・FTPサーバーへの攻撃を常に注意深く監視しており、その結果、攻撃の送信元の65%以上が中国からと判明しました。
※中国が送信元となっていますが、ただの経由地の可能性もあります。
SSH・FTPサーバーへの「辞書/総当たり攻撃」は、短時間・長期継続化
最近の「辞書/総当たり攻撃」は、対象サイトの情報に合わせたログイン試行をしているケースが多くみられます。また、検知や監視の目を逃れるために、短時間の攻撃を、長い期間にわたり繰り返す傾向にあります。
標的型メール攻撃は「見えない化」が進行
標的型メール攻撃は、前期149件→今期61件へと大幅に減少しているようにみえます。しかしこれは、暗号化や難読化などのセキュリティー機器の検知を回避する技術が一般的になり、攻撃を検知できない「見えない化」が進んだためと考えられます。
「標的型メール攻撃」の主な標的は官公庁
攻撃の標的となった企業・組織を業種別にみると、官公庁・地方自治体・独立行政法人などが37.7%。次いで金融(銀行・証券・保険など)16.4%、マスコミ・サービス13.1%となっています。
サイバー攻撃は日本だけが4倍増
サイバー攻撃が4倍に増えているのは日本だけの傾向であり、世界の中でも、日本は特に狙われているといえます。もし乗っ取られる企業が相次いだ場合、日本がサイバー攻撃のインフラになる恐れもあります。
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