室町時代に中国から伝来したという金魚は、江戸時代後期に第1次ブームを迎えました。このころになると養殖業が発達したため、庶民の間で金魚の飼育が流行。金魚売りは江戸の夏の風物詩になったといいます。「金魚坂」はそんな江戸時代に創業した350年もの歴史を持つ養殖場です。
東京大学のメインキャンパスから程近い場所にある金魚坂。敷地内には、金魚鉢や水槽がずらりと並び、様々な種類の金魚や錦鯉が泳いでいます。これらの魚は販売されており、夏の風物詩でもある「金魚すくい」がいつでも楽しめるほか、鯉や金魚が泳ぐ釣り堀で「金魚釣り」もできます。
この養殖ゾーンを通り抜けて併設されたカフェに入ると、外とはまた異なる雰囲気に驚かされます。池のひとつを改装して建てられたという、吹き抜けの広々とした洋風の店内にはグランドピアノが置かれ、ゆったりとした時間が流れています。店内の壁には、吉田晴亮商店の4代目吉田新之助が勧進元となって行われた金魚の品評会での番付表が飾られ、ここからも歴史を感じることができます。
金魚坂は近隣の人からも愛されており、開店して間もなくするとランチに訪れる客でほぼ席が埋まります。メニューはコーヒーや中国茶、スイーツのほか、アルコール類、葉巻まで揃い、食事のメニューは予約必須の本格懐石や、定食メニューなどがあります。「ビーフ黒カレー」」を注文すると、金魚が描かれた器に入れられたデザートや箸置きがさりげなく添えられています。
「江戸時代から続く、金魚坂で金魚すくいとコーヒーを楽しむ」の記事をチェックして、歴史ある少し不思議な都会の隠れ家で、のんびりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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