東京を音楽の街として捉えてみると、一番の特色は多様性ということになるのではないでしょうか。ロック、ジャズ、ポップス、ヒップホップ、クラブミュージックはもちろん、レアグルーヴやワールドミュージックから実験音楽まで、あらゆるジャンルの専門店があり、それぞれが大小のコミュニティをもっていて、聴く、観る、話す、買う、といった音楽にまつわるすべてが用意されていると言えます。くせ者たちがたむろするバーも、深夜のテクノパーティーも、緊張感のあるレコード屋も、それらの扉を開くのに必要なのは、話術でもなければ金でもない。そう、好奇心と音楽愛のみなのです。
バーで音楽をたしなむというのも、大人らしい楽しみ方。老舗ミュージックバーの醍醐味が詰まった一軒といえる渋谷の「グランドファーザーズ」。JBLスピーカーからは、1970年代前後のポップス全般、特にAOR、ファンク、ソウルなどが切れ目なく放たれます。1曲ずつアナログ盤で繋がれ、クラブDJ顔負けの美しい流れが作り出されています。アルコールのアテには、名物の「あたりめ」がおすすめです。
渋谷のブラジリアン&ブラックミュージックバー、「Bar Blen blen blen」は、ブラジルの現地でのトレンドとリンクした音楽と、本場の料理やアルコールを紹介しています。おすすめの酒は、やはりブラジルのカクテル『カイピリーニャ』。様々な種類のカシャーサをロックで飲めるのも、この店ならではです。
原宿の「Bar Bonobo」は、小さな古民家を改装した個性的なクラブです。1階がメインフロアとバー、2階にDJブースと座敷のチルスペースがあり、さらに屋上エリアもあります。渋谷道玄坂の「Contact」は、YELLOWやeleven、AIRといった伝説的クラブのテイストを継承するクラブカルチャーの発信地として、今年4月にオープンしました。メインのダンスフロアはアルコールと煙草が禁止されており、ひたすら音楽に没頭できます。
音楽好きなら一度はこの店の暖簾をくぐりたいレコード屋。良盤が安く手に入るとあって、DJやミュージシャンからも信頼が厚いのが下北沢の「フラッシュ・ディスク・ランチ」です。ソウル、ファンク、ジャズを中心に、ロックやヒップホップなども揃えています。
「東京で音楽を楽しむ55のこと」の記事では、「ミュージックバー&レストラン」、「クラブ&ライブハウス」、「レコードショップ」の3つのセクションで計55軒のヴェニューを紹介。世界有数の音楽天国である東京の、ディープな魅力をのぞいてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界108都市39カ国に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えのもと、日本の優れたヒト・モノ・コト・コンテンツ・サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。
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