「強みを生かす」ために、捨てるべき7つのこと:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「どうでもいい執着」や「独りよがりなこだわり」を捨ててみませんか。自分の「強み」を生かし尽くして、勝負をしてみてください。
5、「みんなと一緒」を捨てる
上昇気流に乗ろうとするなら「人とは違うこと」を選ぶことだ。大事なのは、「希少性」。他の人にはでないことをできた方が、あなたの価値は高くなる。年収も生活も、それほど変わらないし、上がらないとしたら、希少性の有無がそうさせていると思って間違いない。人が行きたいけど、なかなか行けない、そんな道ならなお価値がある。
職場にエクセルでマクロを組める人がいないならマクロを組めるまで勉強する。職場で上司の悪口を言う人が多ければ、あなたが上司の弱点をサポートすればよい。
そう、西に行きたいけど、行く人が少ないなら、あなたは西に行けば良い。年収がすべてだとは言わない。でも、西に行くだけで年収アップの可能性は高まる。
「年収」は努力との相関以上に、「希少性」との相関が高いからだ。
6、「安定神話」を捨てる
本当に安定をつかみたいのなら、会社の体力に安定を求めず、自分自身の「能力」を磨いておくことでしかない。事実を知れば分かる。
- 就職人気企業であっても安定は保障されない。(1991年の人気トップ10のうち5社が経営破綻、経営統合)
- 今の業績が悪くなくとも企業や部門でもリストラはある。(シェアNo.1の事業を売却するパイオニアなど)
- 高収益で有名な外資系企業の多くには、査定の下位社員をリストラするルールがある。
安定を求めるなら、「所属する物」に頼らないことだ。「自分の能力」を高めることでしか、本当の安定はない。
7、「ウチの会社」と言うのを捨てる
もし、会社に依存するのは嫌だと思うなら、今日から「ウチの会社」とは言わないことだ。
21年間、サラリーマンをやった。意地になって、1回も口にしなかった言葉だ。この言葉には、気が付けばウチの村でしか生きていけない、そんな「ウチ病」にかかってしまいそうな恐怖があったからだ。
「ウチの会社は……」と言いそうになったら、「われわれは……」と言い換えればいい。
そもそも、会社は誰の物かと考えると分かりやすい。
スタバは社員だけの物ではない。ラテをお代わりするお客様の物でもある。トヨタだって、部品を納める部品会社の社員物でもあるし、伊勢丹も、株主優待を楽しみにする奥様の物であったりする。
かのパナソニック創業者、松下幸之助さんはこう言っている。「企業は社会の公器」と。
そう考えると、ウチは思った以上に広いのだ。もし、あなたが、自分の看板で少しでも勝負したいと思うなら、染まってはいけない。今日から、ひそかに「ウチの会社は」と言わないことだ。
まとめ
最後まで読んでいただき、感謝します。職場やお客様から歓迎される人材になるためには、みんなと同じように頑張ることも大事ですが、自分にしかできない希少性を磨く努力の方がより賢い選択です。そのためには、人と違う発想や行動をすることが必要で、「捨てるべきことは捨てる」ことがとても重要な鍵となるのです。まさに、捨てることは「戦略」です。新しいステージへのヒントになれば幸いです。
著者プロフィール:伊庭正康
らしさラボ 代表取締役(セールス・セールスリーダー育成トレーナー)。
1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40 回以上。その後、営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。
2011年らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)がリーディングカンパニーの目に留まり、年間260回の営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。
また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『残業ゼロだからこそ目標達成!!本気でやるチーム時短術(明日香出版社)』『すべてを手にする人が捨てている41のこと(かんき出版)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。
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