「お金」を嫌いな人が一体、この世にいるでしょうか。一獲千金、巨万の富……なんとすてきな言葉でしょう。人はお金を愛してやみません。当たると評判の宝くじ売り場に毎年できる、長蛇の列を見れば明らかです。ここでは、そんなお金好きのために、金運アップが期待できる東京の神社仏閣を厳選して紹介します。
まず紹介するのは、1212(建暦2)年、鎌倉幕府2代将軍源頼家の死後、遺臣の荒井智明が亡き主君の冥福を祈り創建した「代々木八幡宮」。創建当時から、勝負運、出世運、成功運に御利益があるとされていて、多くの武将たちが戦に出る前に参拝していました。代々木八幡宮の敷地一帯は小高い丘になっており、最も高い場所には出世稲荷神社が鎮座しています。ここにまつられているのは、出世稲荷大明神。出世運のほか、仕事運と金運もアップすると評判で、足しげく通っている芸能人も少なくないとか。また、5月に行われる「五社宮祭」は、かつては「金魚まつり」の名のもと親しまれていました。金魚は「金の魚」と書くことから、金運、財運につながり、また、金魚のすむ水はけがれを流すとともに禍をはらう霊力があるとされています。境内では、金魚ちょうちんや金魚根付など、金魚に関するアイテムも取り扱っています。
次は、「こんぴらさん」の愛称で知られる、香川県の金刀比羅宮(本宮)の今宮「虎ノ門 金刀比羅宮」。境内の至るところに御神紋の丸金マークが飾られており、とてもきらびやか。いかにも金運に御利益がありそうです。1660(万治3)年、讃岐の国(現在の香川県)の大名京極高和が、領内の金刀比羅宮(本宮)のご分霊を勧請したのが起こり。1679(延宝7)年に、江戸城の裏鬼門にあたる現在の虎ノ門に遷座しました。江戸時代から、出世や商売繁盛、金運の神様として崇拝されおり、一度は没落した京極が復活して富を築いた際にも金刀比羅宮に祈願したという話もあります。本殿右側には、金運の神様「喜代住稲荷神社(きよすみいなりじんじゃ)」が鎮座しており、毎年、元旦から1月10日まで「福銭開運の御守」の授与も行っています。
最後に紹介するのは、桜田門外の変で暗殺された井伊直弼が眠る「大渓山 豪徳寺」。膨大な数の招き猫が奉納されていることでも知られています。豪徳寺の招き猫は「招福猫児(まねぎねこ)」と呼ばれ、右手を挙げています。その愛嬌たっぷりの招福猫児が、金運と商売繁盛を招くといわれているのです。豪徳寺の創建は1480(文明12)年。彦根藩藩主、井伊直孝(直弼の先祖で、当時の世田谷の領主)が、タカ狩からの帰りにこの寺の前を通り掛かると、寺の飼い猫が中へ招き入れるようなしぐさをしたので寺で休憩をとることにしました。すると激しい雷雨となり、猫のおかげで難を逃れることができたのだそうです。直孝はその後、豪徳寺へ多額の寄進をし、1633(寛永10)年に江戸幕府より井伊家に下賜され、同家の菩提寺(ぼだいじ)となりました。ちなみに、ゆるキャラ「ひこにゃん」は、豪徳寺の招福猫児がモチーフとなっています。
その他の詳しい情報は「金運アップ、東京の神社仏閣10選」で紹介しています。「お金に困っていないけれど、もっとあったって悪くない」と余裕ある人も、「今年こそ、金運をつかみたい!」と意気込む人も、今年は金運アップを神頼みしてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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