猥雑さと昭和の香りが残る渋谷百軒店は、大人が集う繁華街というイメージをもつ人も多いのではないでしょうか。道玄坂側の入り口にはストリップ劇場や無料案内所が立ち並び、少々近寄りがたい雰囲気を放っています。しかし近年、世代交代した店が増え、新しいカルチャーと昔ながらの老舗が残るユニークなエリアへと進化を遂げつつあるのです。
そもそも渋谷百軒店は、関東大震災直後に「百貨店」をコンセプトに形成された商店街。その後、1945年の東京大空襲により、街は全焼する。昭和になるとジャズ喫茶やレストラン、テアトルの映画館などが立ち並ぶ飲食街としてにぎわいを取り戻しました。ここでは、その名残が感じられる1931(昭和6)年に創業した老舗や、スナックを引き継ぎDJバーとしても営業する店など、アフター5から早朝まで楽しめる百軒店の居酒屋やバー、レストランを紹介します。
百軒店の奥地にある、老舗お好み焼き屋のたるや。店に入ると流れてくるのは、落ち着いたジャズ。そして、壁を見渡すとジャズミュージシャンの写真が至る所に飾ってあるのが目に留まります。メニューは、焼き肉やお好み焼き、もんじゃ、つまみ類があります。人気メニューで上品な味つけの「もつ煮」は、これまでのイメージを覆す味わいでおすすめ。アルコール類では、焼酎の種類が豊富にそろっており、メニューに「初心者向け」「マイルド」などと書かれているため選びやすいのも魅力です。昔からの常連客が多く、渋谷にいるのを忘れてしまうような落ち着きがある良店。
2019年よりオーナーから店を引き継ぎ、1階はバー、2階はうどん酒場として営業する、スナックながさき(https://bit.ly/327IrT5)。昭和レトロな店内にはポップなアート作品が飾られていたりと、時代をまたいだ、まさに異空間。DJブースも設置され、週末や連休にはDJが選曲を行っています。チャージ料は500円、ドリンクは650円からと価格も良心的です。 そして、店の奥にある階段を上ると出現するのが、うどん酒場 萬斎。おばんざいとレアな日本酒、讃岐うどんが楽しめる酒場。うどんは定番の「讃岐うどん」から、ユニークな「カルボナーラうどん」までがそろっています。日替わりのおばんざいはどれも美味なので、数人で訪れていろいろ注文するのがおすすめ。 1階との雰囲気の違いがまた面白く、バーと酒場を行き来して楽しもう。
渋谷百軒店の道玄坂側入り口そばにある、カフェ&バー、プロモーションスペース、観光案内所と3つの要素を持つショット。 スペシャルティコーヒーや、オールフレッシュのチャイ、エスプレッソマティーニなどの酒を楽しめるほか、国内外の観光客向けに観光案内も行っています。ここでしか購入できないグッズやガイドブックも展開。コーヒーやアルコールを飲みながら、次に行く店を教えてもらうのもいいかもしれない。
その他詳しい情報は「渋谷百軒店、夜の散歩ガイド」で紹介しています。新しいカルチャーと昭和をまたぐ街を探索してみてはいかがでしょう。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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