東京、神保町ベストカレー3選：タイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

[タイムアウト東京，ITmedia]

　世界一の古書街で知られる神保町は、「カレーの街」としても名を響かせています。実に400軒以上ものカレー店があるそうです。この街がなぜカレーの聖地に成りえたのか、確たる証拠があるわけではありませんが、名店の誕生が次々と呼び寄せたと考えられています。

　さらに2011年からは「神田カレーグランプリ」が開催されるようになって人気となり、神保町＝カレーが定着していきました。

　そして、現在も新しい店が誕生するなど、神保町のカレー熱は冷めていません。タイムアウトが選ぶ2025年の「世界で最もクールな街」で1位に選ばれ、注目が集まる今、以前ご紹介した「神保町、カレーの名店」をアップデートしてここにお届けします。

ボンディ 神保町本店 Photo: Kisa Toyoshima

　神保町の元祖欧風カレー店「ボンディ 神保町本店」。2011年から行われている「神田カレーグランプリ」の初代優勝者で、激戦区神保町で不動の地位を確立しています。神田古書センタービルの2階で、ビルの裏手から回る非常に分かりにくい場所にあるにも関わらず、昼は常にほぼ満席です。

　十数種類のカレーメニューが用意されていますが、初めてならスパイスとフルーツをミックスした深い茶色のルーが特徴の「ビーフカレー」（1700円、税込み）がおすすめ。ランチはリーズナブルな神保町の中でも少々高めですが、まろやかでコクと深みのあるカレーの味と、セット全体のボリューム感で十分満足できるでしょう。無料で付くじゃがバターのおいしさにもハマってしまいます。神保町でカレーを食べるなら、一度は訪れてほしい店です。

スマトラカレー共栄堂

　次に紹介するのは、大正13年創業、カレー専門店が集まる神保町でも特に老舗の店「スマトラカレー共栄堂」。店曰く「明治末期から伝えられてきた」とされる、スマトラカレーを提供しています。小麦粉を使わず20種類のスパイスと野菜、肉をじっくり煮込んで作るオリジナルカレーで、黒い見た目が濃厚そうですが、さらっと軽い口当たりと、スパイスが香る味わいは一度食べるとハマるでしょう。ランチは行列が絶えない人気店です。

　ポーク、ビーフ、チキン、エビ、タンカレーの5種類があり、肉がほろりと柔らかく崩れる「タンカレー」は絶品。サービスで付くポタージュも美味しい。「焼きりんご（10月〜翌5月上旬までの期間限定）」も、どこか懐かしい味わいでおすすめです。

＆スリランカTOKYO Photo:Tomomi Nakamura

　福岡で圧倒的人気を誇るスリランカカレーの店「＆スリランカ」（旧「RスリランカTOKYO」）の神保町店も見逃せません。同店はカレー界の新定番として浸透しつつあるスリランカカレーを日本人の舌に合うように独自にアレンジし、「和」と「スリランカ」の要素を融合した店として知られています。

　まずは、一番人気の「豚肩ロースステーキカレー」（レギュラー1500円、税込み）を注文してみましょう。カレーと米の上に大振りの豚肉と赤ピーマン、青タデが乗っています。これは、九州で独自に進化した「九州ランカカレー」というスタイルのカレーにアレンジを加えたもの。スリランカの味噌汁のような存在である「キリホジ」という料理にカレーと豚肉を加えて食べてみたところ、おいしかったことがきっかけで、開発に至ったそうです。

　フェネグリーク、カルダモン、クミンを筆頭にスリランカから輸入した7種のスパイスを使ったスープは、ピリリとしたスパイシーな風味とココナツミルクのマイルドな味わいが見事にマッチします。

　「ドライカレー＆カレー」（1100円）もおすすめの逸品。トマトケチャップと醤油がベースになっており、オムライスのチキンライスにも似た何とも懐かしい味わいです。そこに異国感を感じるカレーの辛みとうま味が加わり、まさに「和とスリランカの融合」と言える新鮮な後味になっています。

　「東京、神保町ベストカレー14選」では、さらに店舗を紹介しています。是非チェックしてみてください。

著者プロフィール：タイムアウト東京 編集部

タイムアウトは、1968年にロンドンで創刊され、現在は世界333都市59カ国、14言語で展開する国際的なシティガイドです。東京版「タイムアウト東京」は、日本のヒト・モノ・コトを独自の視点で取り上げ、日英バイリンガルで世界に魅力を発信。高いブランド力とグローバルネットワークを背景に、雑誌やウェブ、ガイドマップを展開。恵比寿には「タイムアウトカフェ＆ダイナー」もオープンしています。