ITmedia エグゼクティブセミナーリポート
再考! 理想のものづくりの手法とは?(2/2 ページ)
情報の見える化が競争力向上の鍵に
こうした状況を改善するための指針として脇坂氏が示したのが、チップメーカーである米NVIDIA社の生産管理システムである。実は同社はファブレスメーカーとして、全ての生産・在庫管理業務を外部にアウトソースしているのだが、メーカーとしてそれらの工程管理を行うことは不可欠との考えから、SAPのERPシステムを利用しXMLを用いて情報をリアルタイムに一元管理できる環境を整えている。
「水平統合型のビジネスモデルを採用しているにもかかわらず、NVIDIAはアウトソース先からリアルタイムに情報を収集できる仕組みを整えている。日本企業もシステムを見直し、同様の環境を整備することで競争力をさらに高められるはず」(脇坂氏)
シャープは最先端の液晶パネル工場と、薄膜太陽電池を量産する太陽電池工場を併設する「21世紀型コンビナート」の建設を2007年7月に表明。敷地内には関連部材・装置メーカーの工場が誘致される。この狙いは部品技術の囲い込みと、他社とのより密な情報共有にあると考えられるが、シャープでは情報共有の高度化を目的に、SAPシステムを用いた「経営コックピット」を導入した。すでに役員の各個室に配置された大型ディスプレイには世界各国から寄せられる様々な情報がリアルタイムに表示され、意思決定に役立てられているという。
「日本はシステムが個別に開発されているケースが多い。そのため、各システムの情報をまとめて見たいと考えても、技術的な問題から容易には実現することができない。だが、競争がさらに激しさを増しつつある中で、情報の可視化を図るための何らかのチャレンジが企業には求められている」(脇坂氏)
脇坂氏によると、競争力の維持や強化に向けて企業の現場では、業務プロセスに頻繁に手が入れられているという。そうした状況に耐え得るシステムの整備、ひいては情報の可視化ができるか否かが、企業の今後の明暗を大きく分けることになりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
2
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
3
イオン、フィジカルAIで物流改革 配送拠点の自動化率5割達成 深刻な人手不足に対応
-
4
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
5
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
6
「漏洩連絡が来た…」自分の個人情報が流出したら? 二次被害を防ぐ、対処法と日頃の備え
-
7
「話を聞いてもらえない」のは、内容のせいとは限らない――伝わる人が押さえる第一印象
-
8
草の根でじわじわと変革を進めるプロテリアル、データでビジネスに「手触り感」
-
9
IT部門発! サービス創出のために断行した全社変革――セブン銀行 相原氏
-
10
「投資」を変えたら経営に響いた 250社超の支援で見えた「ゼロトラスト負債」 - Zscaler 髙岡氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー