戦略コンサルタントの視点
企業のSEを戦略コンサルタントに変える方法(2/4 ページ)
どういう力が必要なのか?
ここで、SEやITコンサルタントよりも、さらに経営的な視点で企業を支援する戦略コンサルタントについて、SEやITコンサルタントの仕事との違いの観点から語ってもらった。
「前提条件や制約条件を外して考えるということが大事でしょう」と語るのは大久保プロジェクトマネジャー。大久保氏は新卒で大手メーカーに勤務し、システムのプロジェクトにもユーザー側としてかかわった経験を持つ。その後MBA取得を経て大手ネットワーク系ベンダーでのプリセールスなどを経て現職という経歴。システム監査人などの多くのIT関係の資格を有するという一面も持っている。
「ユーザーとして社内のシステム構築プロジェクトにかかわった際、システム部門員や外部のベンダーのSEさんから“この業務はシステムで自動化されます”といった発言は何度も聞きましたが、“この業務は本当に必要なのですか? ”といった発言は一度も聞いたことがありませんでした。やみくもに全否定することを勧めるわけではありませんが、既存の仕組みやルールなどの前提条件を建設的に疑ってみることは必要でしょう」(大久保氏)という。
「シナリオを作る力が大切だ」というのは大野氏。「30枚の提案書であろうが、一枚のパワーポイントのチャートであろうが、その中にはきちんとしたストーリーが構築されていなければならない。クライアントのプロジェクトでベンダーさんやITコンサルタントの資料では、しばしばストーリーが破たんしている資料を拝見することもある」と鈴木氏が補足する。
破たんしないきちんとしたストーリー作りのためには何が必要なのだろうか。SEは論理的な思考力に富んでいるがゆえに、コンサルタントに向いているといわれることも多いが、この点はどうなのだろう。
「確かに論理的な思考力は必要です。ただ、それだけでは足りません。まず、相手が何を本当に求めているのかをよくよく考えてつかんだうえで、適切にハイライトしなければ相手に刺さるシナリオは作れないでしょう」(大野氏)
大野氏も鈴木氏も社内でレビューをしていて「間違ってはいないけど、つまらないね」というコメントを出すことも多い。
相手が何を本当に欲しているのかをつかむためには、冷静な情報分析と同時に、本音をつかみ出すコミュニケーション力が必要となってくる。
「コミュニケーションと言っても、会話が途切れないようにするとか、うまく笑いをとるとか、そういうことではないんです。相手の発言を受け止めたうえで、相手の悩みや問題意識の原因や理由を考えていって、悩みや問題意識の根源にたどりつくまで考えていくということです」(鈴木氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
JR東、磁気乗車券を2027年春に廃止 小型券はQR付き大型券へ、環境負荷軽減
-
2
富士通、新方式の量子コンピューター試作機を世界初開発 ダイヤモンドで計算精度を向上
-
3
AI画像認識で検査効率化、技能継承やロボ自律制御にも活用へ 東芝総合研究所の落合誠所長
-
4
「AI社員」活用、NECは無人部署 DeNAには17体、南場社長「けなげ」と太鼓判
-
5
「ビール化」するサントリー「金麦」、救世主になれるか 10月6日発売 関西で販売強化
-
6
顧客価値創出へのAIの貢献
-
7
「身代金は支払うべきか」――YKK APが7年越しに気付いた経営とセキュリティの視点のギャップ
-
8
鷹は、自らの爪・羽根・くちばしを折ることで、生まれ変わる
-
9
マイケル・ジャクソンはなぜ白い靴下を履いたのか?
-
10
第53回:なぜ、日本企業では「考えるマネジャー」が育たないのか──AI時代、「言われたことは得意だが、課題抽出や提案は苦手」な組織から脱する方法
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー