戦略コンサルタントの視点
企業のSEを戦略コンサルタントに変える方法(3/4 ページ)
SEという仕事のアドバンテージと不利な癖
鈴木氏は「ITコンサルタントを目指すならば、基本的にはSEの仕事の延長線上にあると考えられるので、システムの知識や経験がそのまま役に立つ部分が多いでしょう」と話す。また、例外条件を漏れなく洗い出すといったSEの仕事の緻密さは、戦略コンサルティングをするうえでも強みになることは間違いないという。大野氏もこれは同意見だ。
しかし「この緻密さの追求が悪い面に出ることもある」という。「戦略コンサルティングでは、何を言いたいのかを明快なメッセージで打ち出すことが必要だが、例外条件にとらわれてメッセージの切れ味が失われてしまうという傾向はありますね」(鈴木氏)
「制約条件がない環境下できちんと思考をしていけるかというと、なかなか難しい。身に付いた癖を直すのは結構大変です。わたしも戦略系コンサルティングファームに転職した際はそこに苦労しました」(大野氏)
「癖ということで挙げますと、SEやITコンサルタントは、自社製品や知っているソフトウェアを当てはめる、という解決策を考えがちです。この癖もやっかいでしょね」と大久保氏。
新システムを作る場合に、パッケージソフトを候補として選び、FIT&GAPといわれる業務への適合性の検証といった進め方が主流で、ゼロベースであるべきシステムを検討するといったアプローチは現実としては少ない。これは、先の制約条件を外すといったこととも深く関連していそうだ。
メーカーからITベンダーを経て転職して戦略コンサルタントになった大久保氏はSEに向けて、経営戦略の視点から情報システムを考える戦略コンサルタントという職種にチャレンジしてもらいたいと話す。
職業、職種でコンサルタントに向く向かないというのはそれほど無さそうだ。「自分の現在の仕事を通じてよく考えるという良質な経験を積んでおく」ことが大事だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わる
-
2
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
3
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
4
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
5
イオン、フィジカルAIで物流改革 配送拠点の自動化率5割達成 深刻な人手不足に対応
-
6
経営と現場の板挟みになりがちなガバナンス、優先してやるべきことを明確に――リクルート 鴨志田昭輝氏
-
7
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
8
「仕方ないインシデント」まで全力を尽くせるか - さくらインターネット 江草氏
-
9
第55回:「誰が言ったか」で判断していないか──SNS時代、エグゼクティブに必要な「空気に逆らう力」
-
10
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー