戦略コンサルタントの視点
IT業界に構造変化 「第2の繊維産業化」のおそれも(3/3 ページ)
自己変革が求められるユーザー系の情報システム子会社
以前も触れたように、親会社としては、情報システム子会社を変革するか、売却するかいずれかの選択肢を迫られてきます。
情報システム子会社は、本体とは異なるコスト構造を持ち込み、低コストオペレーションを実現するために設立されましたが、この存在意義が揺らいでいます。これからは、親会社の業務の効率化や(新サービス企画など)売り上げへの貢献を果たす存在へと自己変革することが求められます。
今後IT業界の方向性
先ほどの繊維業界と同様に、電気機械器具製造業の従業者は1990年代にピークを迎えた後は、6~7割程度にまで減少したことを考えてみれば、国内ITベンダーの従業者が同様の軌跡をたどることがないとはいえません。
国内IT市場の大きな成長が望めない中、業界再編やグローバル化は不可欠でありますが、日本が強みを持つ製造技術やサービスや安全の品質と、IT技術を「掛け合わせた」新しい商品・サービスによるビジネス確立に向けた取り組みが必要となるでしょう。
5年後にはITベンダーとしてシステム構築やシステムサービスを売るのではなく、輸送・物流、発電・送電・水管理などのユーティリティ、商業製造用建造物の運営、通信販売行などをビジネスの中心に据え、その上で保有するIT資源を競合に対する競争優位創出の源泉とした「企業」が大きく成長しているかもしれません。可能性はまだまだありそうです。
注:1)「日本の繊維産業 なぜ、これほど弱くなってしまったのか」伊丹敬之+伊丹研究室
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「レッドガス」時代の羅針盤【第三章】従来型グローバルサプライチェーン設計思想からの脱却
-
2
レアアースをリサイクル、国内初 三菱電機やダイキンが信越化学と 脱中国の供給網構築へ
-
3
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
4
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
5
第11回:世界の潮流は「これからのリーダーはEQの高いリーダー」。日本にも根付くか?
-
6
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
7
「その100時間は、何も生み出していない」――認知科学者・堀田創氏が斬るリーダーの"見えない疲れ"
-
8
来春卒業する大学生のIT企業人気ランク NTTデータ1位 Skyが急上昇、富士通も
-
9
勇者に最適な武器を! 世界に羽ばたく日本企業を生み出す - Cloudbase 岩佐氏
-
10
ドコモFG、今秋までに金融AI試験版を開始 投資運用を助言し、若年層取り込み狙う
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー