「もしドラ」作者が語る
ドラッカーそしてマネジメントが求められた理由(3/4 ページ)
「もしドラ」の読者たちが直面した現実
インターネットに代表されるような情報化の大きな波が起こったことによって、組織のガバナンスを変えざるを得ない局面を迎えたといえる。そこで多くの人が求めたものがマネジメントだったのだ。そして『もしドラ』を読み、改めてドラッカーの著作に触れる人たちが続々と出てきたのだろう。
岩崎氏は、『もしドラ』の読者たちが目の当たりにした日本で起こった出来事について次のように語る。
「つい最近、われわれは政権交代を体験しました。と同時に政権が変わってもこの国の状況は何も変わらない、ということも目の当たりにしたのです。『もしドラ』の読者の方々の多くも『もう、政治になんか期待できない。自分たちが変わるしかないんだ』という考えを持たれたのではないか。こうした政治のもたらすインパクトが弱まっていることもマネジメントについて考え、ドラッカーを勉強しようという発想に至る要因になっているのではないでしょうか」
ドラッカーの『マネジメント』は、1930年代の米国の経営者をモデルに書かれていると岩崎氏は説明する。1930年代と言えば、1929年に始まった世界恐慌が猛威を振るった年代であると同時に、従業員が数万人以上の規模となる大企業が生まれた時代であり、多くの失業者が出た時代であった。
「1人の資本家が統治する組織ではなく、雇われ社長が巨大な組織を統治する時代になりました。そこで、雇われ社長たちがまず何を行ったか。かれらは自分たちが統治する正当性を見いだそうとしたのです。ただ単に利益を出すことだけでは正当性を主張することはできない。そこで企業の社会的責任、働く人たちの能力を生かすための努力などについて言及した。それらを持って企業のトップは組織を統治する正当性を獲得したのです」(岩崎氏)
時代が変わり、組織の成り立ちが変わり、ガバナンスも変容せざるを得なくなったわけだ。そして大量生産方式によって、供給過剰の市場が生まれ、失業者の大量の発生によって、人心はすさんでいた。岩崎氏はこの時代と今の時代を交互に見合わせて考えることが多いという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
2
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
3
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
4
ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わる
-
5
第55回:「誰が言ったか」で判断していないか──SNS時代、エグゼクティブに必要な「空気に逆らう力」
-
6
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
7
子供の夢をYouTuberからホワイトハッカーに! 具現化を進めるCISO - GMO 牧田氏
-
8
コミュニケーションの質が一変! 心理カウンセラーの「聞く技術」とトレーニング法
-
9
「仕方ないインシデント」まで全力を尽くせるか - さくらインターネット 江草氏
-
10
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー