生き残れない経営
3K、7K、24K「IT人材不評」の犯人はだれ?~その2(1/3 ページ)
その1はこちら。
ITについて、世の経営者の多くは投資の時だけ多額なので関心を持つが、後はIT運用が業績に直接関係ない(と思い込んでいる)ことや、ITが理解しにくいことから専門家任せ。一方、ITに携わる人々はITを取り巻く状況が刻々変化しているのに、相変わらず昔のあり方を引きずって、形に捉われ、特別意識を持ち、システム開発に固執し、結果ライン業務と意思疎通を欠き、業務知識に疎く、改革意識に不足する。これでは、IT人材を救えない。
IT人材が、最近のアンケート調査結果に反して、最近では根拠の薄い3Kで根強く嫌われ、情報系大学卒業者の半数以上が情報系企業への就職を避けるのは、企業の姿勢や経営方針とIT人材本人自身に原因があることを、前回諸統計を根拠に検討した。
今回は、不人気のIT人材を誰が、どう救えばいいのかを考える。
ITを取り巻く状況を分析し、その中で必要とされるIT技術、そして人材、さらに人材の確保や育成にいかに取り組むべきか、そういう検討の過程でIT人材の在り方を問う。
IT人材に与える影響が大きく、特徴的な流れとして、3つある。(1)市場の先行き不透明感、(2) クラウドコンピューティング時代へ、(3)オフショア(アウトソーシング)の割合増大へ、だ。これらについて、IT技術の傾向・必要とされる人材などを考えよう。
(1)日本経済の閉塞感から市場の先行きに不透明感が強まる中、ユーザー企業では競争力強化にIT活用を重要視し、情報システムのコスト意識を高め、システムの新しく賢い使い方に腐心するようになる。そのため、ユーザー企業では高い技術力と業務プロセス改革が必要となり、テクニカルスペシャリストを求める。IT企業もこれに応えるため、高度な技術力を持ったITスペシャリスト、映像・RFIDなどの活用技術が求められる。
(2)クラウドコンピューティングの動向として、SaaS 利用企業は13%、小企業ほど利用している。PaaS、IaaS 利用は先進企業のみだが、30%の企業が今後利用したいとしている(情報処理推進機構「IT人材白書2010」、以下「人材白書」と省略)。
今後は、サービスインまでの時間が短く、コストも大幅減なので、クラウドコンピューティングの利用は増大が見込まれる。しかし、従来型の独自開発システムも残り、企業内に色々な形態のシステムが混在し、多様化するので、それぞれのシステムの連携、全体形成が必要で、そしてそれぞれをサービスとして認識することが求められる。
その中で、Webプロモーション、センシング技術の応用など新しいサービスが考えられ、ユーザーへの提供は開発から企画・運用へと移行する。そして、仮想化技術・SOA(Service-Oriented Architecture)など高度な専門性やアーキテクト技術が必要となる。
ユーザー企業IT部門のミッションは、情報システムを作るものから使うものへ、システム構築から経営効率化・価値創造など業務改革という経営企画的業務へと変化する。
(3)オフショア開発取引額は、増えている。オフショアの取引総額は、2006年度715億円、2007年度968億円(前年34%増)、2008年度1,011億円(前年比6%増、市場全体に占める比率は5.6%)、国別の上位3位は、中国565億円(構成比56%)、インド208億円(構成比21%)、ベトナム39億円(構成比4%)である。オフショアの目的は、単にコスト削減や人材確保だけでなく、ビジネスグローバル化対応の要素も出てきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
7
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
8
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
9
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
10
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー