グローバル時代のスマートリーダー術――100人の経営層から
不快感を持たれずに自分の意見を通す――アサーティブ(1/2 ページ)
「グローバル時代を生き抜くスマートリーダー術」というテーマで、前回は「正論で人は動かない」、ソフトとハードを組み合わせることが大切だと話しました。今回はアサーティブ(assertive)について話します。
アサーティブとは
アサーティブという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
わたしは英国系の航空会社に入社し、ロンドンでトレーニングを受けた際に初めて聞きました。ちなみに、トレーニングはマルティナショナルで行われ、日本からはわたしを含めて2人、その他香港から7人、ブラジルから2人、パキスタンから3人というメンバーで行われました。英語でトレーニングが行われる中で、イギリス人のトレーナーに"You should be assertive."と言われました。学校の英語の授業で聞いたことがなく、初めて聞く言葉でした。全然意味が分からず、その場で英和辞書を調べてみると、こんな説明が出てきました。
断定的な、独断的な、自己主張の強い
「独断的になればいいのだろうか?」と、なんだかうまく理解ができませんでした。よく分からなかったので、英英辞典で調べてみました。
Behaving in a confident way so that people notice you
人々が自分を分かってくれるように、自信を持ってふるまう
これで少し合点が行きました。イギリス人のトレーナーにどういう意味かと質問すると、「Be Confident」という言葉が返ってきました。
ちなみに、Confident という言葉を聞くと、自信満々なというイメージを持ちますが、決してそんなことはありません。Confidentを英英辞典で引くと次のように書かれています。
Sure that you can do something or deal with a situation successfully
何かをできる、状況に適切に対処して成功するということを確信すること
客室乗務員はサービスをする人というイメージを持たれますが、外国の航空会社では保安要員という考え方が強く、トレーニングの時間もほとんどがそれに割かれます。緊急事態が発生したときに自信を持って行動できるか、これはとても大切になるのです。
阿吽の呼吸は通用しない
よくいわれることですが、われわれ日本人は「言わなくても分かるでしょう」「行間を読んでよ」というところがあります。
ある外資系企業の経営幹部の方が言っていました。われわれが育ってきた環境というものがわれわれの考え方に影響しています。ものを言わないで相手が分かる、阿吽(あうん)の呼吸といわれますが、それはまったく通用しません。黙っていると無能だと判断されます。自分が絶えずアピールする必要があります。価値観の違う人たちと闘っていかなければいけないのです」
このシリーズの最初に話しましたが、大学を卒業して客室乗務員として働き始めたときに、ある日本人の先輩から「主張しないと、自分が損するよ」 と言われました。複数のチームで働くのですが、イギリス人のパーサーが新人のわたしに仕事を割り振り、それを横目に欧米人クルー何名かが休んでいました。わたしは思い切って言いました。
「わたしはこちらの通路からくるお客様のケアをするから、あなたはあっちの通路からくるお客様のケアをしてくれますか」しっかりと自信を持って明確に話すと、理解してくれたようで、指示通りに動いてくれました。わたしが一人で頑張っているのだから分かってくれるだろう、やはりそれは通じないのです。
ただし、何かをやってほしい、もしくは自分の指示通りに動いてほしいと思い、「あれをして」と伝えても人がすぐに動いてくれるわけではありません。
「こういう理由だからこういうことをやってほしい」「こんなことを期待しているからこれに取り組んでほしい」「自分は○○をやるから君は○○をしてほしい」。このように意義を伝えたり、自分もやるのだという姿勢を示す必要があります。
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